介護キーマンインタビュー

シャローム株式会社
晴れる家2号館 施設長
太田渉 さん

本音で付き合える環境を重視全体を考えたバランスよいケアを

太田渉さん

経歴などを教えて下さい。

以前は介護とは無関係の仕事をしていました。父親がシャロームのデイサービスを利用していたという縁で、転職をするときに介護は全くの未経験でしたがシャロームを選びました。今年で7年目になります。2019年9月に晴れる家2号館の施設長になりました。

ケアやサービス提供の上で、心がけている点はなんですか。

施設長に就任後、ご家族などの前で「ご利用者様とそのご家族、スタッフ全員を一つの家族にしたい」と話しました。家族ですからときに言い争いもあるでしょう。高齢者施設では、ご利用者様同士で喧嘩が始まると「喧嘩を止めさせること」を第一に考え、すぐに止めに入ります。しかしそれでは「なぜ喧嘩を始めたのか」がわからず喧嘩を起こさない根本的な解決にはなりません。何か訴えたいことや不満に思っていることがあるから喧嘩になるのです。家族なら、訴えたいことがあれば遠慮せずに訴えることができ、聞く方はそれを親身になって聞きます。こうした本音で付き合える環境を求めていきます。
 施設長に就任した当初は「できるだけ問題が生じないようにしよう」と考えていました。しかし、それはともすると、問題が起こったときにその責任を外部に転嫁することにもなります。

スタッフへの接し方については。

スタッフはみな仕事に対してそれぞれの考え方や想いを持っています。しかし日々多忙な中で、ついつい言葉を省略して話すクセがついてしまい、その想いを発信することができないでいます。もちろん日々の業務報告などは受けていますが、報告にあがってくるまでの段階で問題を自己解決してしまっていたり、上司の評価を気にした報告内容などになってしまっていたりすることもあります。そうした報告では見えてこない本音の部分をいかに把握するかに注力しています。スタッフ休憩中の雑談などにも加わり、密なコミュニケーションを図るようにしています。

スタッフに対し、特に求める点はなんでしょうか。

現場は「美談」をつくりたがることがあります。しかしそれは単なる目先の解決であり、ホーム全体のことを考えたらプラスになっていないこともあります。実際にあった例ですが、夜間に頻回なコールのあるご利用者様がいました。あるスタッフはそのコールに全て対応していました。「体が冷えて寒い」と訴え、カップラーメンを食べたいと要望したときは食事介助までして食べさせていました。しかし、そのことにより他のご利用者様からのコールに対応できませんでした。確かにそのご利用者様は満足したでしょうが、そのことが他の方の不満につながっては意味がありません。こうしたバランス感覚を養ってもらいたいと考えています。もっとも、こうしたケースの場合には「こうした対応が絶対の正解」という物はありませんので、トップである私が適切な判断、アドバイスをし、スタッフが不安に思わないように心がけています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

シャローム株式会社

https://www.kaigo-shalom.co.jp/

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