介護キーマンインタビュー

株式会社CLAN
施設運営事業部次長
中島慎 さん

ホーム入居者の4割が障がい者。活発な多世代交流で高齢者も元気に。

中島慎さん

経歴について教えて下さい。

介護職をしている母親から「介護のスキルは一生役に立つ」と勧められたことから20歳のときに介護の道に進みました。今年で業界でのキャリアは17年になります。

運営する高齢者住宅の中で特徴的なものはありますか。

2019年7月にオープンした大阪府八尾市の住宅型有料老人ホーム「クランコート八尾」です。当社運営のホームでは、要介護の高齢者だけでなく、障がいを持っている方であれば介護保険被保険者でなくても入居できます。会社全体では全ご利用者様に占める障がい者の割合は20%程度ですが「クランコート八尾」は、定員51人のうち18人が障害者であり、最も高くなっています。親が要介護高齢者、子どもが障がい者という親子入居の例も複数あります。

障がい者が多いと、日常の様子などは、他のホームに比べてかなり違いますか。

当社のご利用者様の平均要介護度は3.7と高い方なのですが、「クランコート八尾」では、実際の要介護度よりも皆さん元気という印象を受けます。高齢者からすれば、障がい者は子どもや孫の年齢なので、高齢者自身が彼らの前では親や祖父母のような気分になり「しっかりしなくては」という意識が自然にはたらくようです。また、カラオケなども一緒に楽しんでいます。若い障がい者が歌う最近の歌やアップテンポの曲に合わせて手拍子を打ったりしますので、高齢者だけの場合に比べて体を動かすことが多いのも元気な理由のひとつかと思います。

スタッフに求められる能力などの面で、他のホームとの違いはありますか。

高齢者への接し方と、障がい者への接し方は違いますので、しっかりとそこを区別してケアに当たらないといけません。例えば精神障がいや知的障がいを持っている人の場合、こちらが言っていることを理解できなかったり、自分に都合がいいように解釈してしまったりすることがあります。そうした点をスタッフがしっかり把握して「この人にはどのように伝えればいいのか」を常に考える必要があります。

スタッフ教育の面で心がけていることはなんでしょうか。

介護現場で働くパートの中には「自分は利用者のケアだけをしていればいい」という意識が強い人が見受けられます。しかし「クランコート八尾」については、ご家族やケアマネジャー、そのほか出入りする外部の方に対して、パート社員が「今日はこんな様子でした」と、自分の言葉でご利用者様の日々の情報をしっかりと伝える姿勢が身に付いていると実感しています。この姿勢を常に持ち続けてもらいたいと思っています。
「挨拶をする」というのは人として当たり前です。その挨拶に何か一言を付け加えて、短時間でもより密な情報のやり取りが日常的に行えるような環境づくりが重要です。そのために自分がサービスを担当している時間帯以外にも、積極的に個々のご利用者様とコミュニケーションを図るよう、全社的に意識付けを行っていきます。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社CLAN

https://clan-net.jp/

介護キーマンインタビューTOP

関連施設