2023.11.24

訪問看護に関する報酬の見直し・・(2023年10月ニュース)

 

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10月20日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)で、集合住宅などの入居者にサービスを提供する場合の訪問看護報酬の適正化が議題となりました。2024年4月の診療報酬改定に向けて、今後どのように具体的な検討がなされるのか注目されます。

 

当日、国は大きく2つの論点を示しました。まずは、利用者・家族の求めに応じて主治医の指示に基づいて緊急に訪問すると算定可能な「緊急訪問看護加算」の評価の見直しです。これについて国は「緊急にも関わらず、毎日算定している利用者が一部にいる」と、必要以上に運用・算定されている可能性があることを言及しました。

もう一つは「同一建物減算」のあり方です。訪問看護は、介護保険・医療保険の両方が活用できるサービスですが、同一建物減算に関する規定には大きな違いがあります。

介護保険の訪問看護では、事業所と同じ建物や、同じ敷地内もしくは隣接する敷地内にある建物の利用者にサービスを提供すると減算が適用されます。それに対して、医療保険の訪問看護では、同じ日に同じ建物の利用者3人以上にサービスを提供しないと対象になりません。今後、こうした「食い違い」を解消し、統一していく可能性もあります。その際は、より厳しい介護保険の制度に合わせることが自然と思われます。

 

近年、「ホスピス住宅」などという名称で、末期がん患者などターミナル期の人を積極的に受け入れ、看取りを行うサービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームがその数を増やしており、それを専門に運営する事業者の中には株式を上場しているところもあります。そうした住宅は、併設又は近隣で、自身や関連法人が運営する訪問看護事業所の収入が事業の大きな柱となっていました。そうした事業の急成長が、高額な診療報酬の算定につながっている可能性もあります。

今回、国が訪問看護報酬の適正化を議題としたことで、こうした住宅の経営にも影響が出ることが予想されます。運営者には減算などへの対応も求められるでしょう。

しかし、これらの住宅の入居者の中には訪問看護の存在が命に直結するケースが多いという現実もあります。中医協の委員からは「著しく高額など、請求に問題があるのは一部の事業者。訪問看護を必要としている人たちのことに配慮した対応を」との意見もあがっていました。報酬の見直しにより訪問看護の提供量が減るといったことがないよう、今後、慎重な議論が求められます。

 

かいごのニュース 2023/10

 

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