2023.11.22お知らせ・新着情報

介護休暇の現状・・(2023年10月ニュース)

 

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民間信用調査機関の東京商工リサーチの調査で、過去1年間に介護を理由にした離職者が発生した企業の半数以上で、離職者が介護休業・休暇を取得していないことが明らかになりました。介護休暇などの制度が定着していない実態が伺えます。この調査は今年10月上旬にインターネットを通じて実施し、5,125社が回答しました。

 

2022年9月から今年8月までに介護離職者がいた企業は10.1%、うち54.5%が「介護休業・休暇を取得した従業員(離職者)がいない」と回答しています。また「取得した従業員がいる」と回答した企業の中でも、「全員が取得した」と回答したのが14.5%の一方で、「1割が取得した」という回答も15.0%あり、取得状況の二極化が見られます。

企業の規模別では、「全員が取得した」のが、大企業(資本金1億円以上)では26.3%だったのに対し、中小企業(資本金1億円未満)では12.1%と、倍以上の差がつきました。これについて東京商工リサーチでは「大企業の取得率が高いのは、従業員数が多く、代替要員がいることが影響していると思われる」と分析しています。

 

「仕事と介護の両立に向け、企業で取り組んでいること」(複数回答)では、50.2%が、「就業規則や介護休業・休暇の利用をマニュアルなどで明文化」しており、17.3%が「介護に関する悩みなどを相談できる体制」を整えています。また、「在宅勤務制度やテレワークなどを導入している」企業も21.1%あります。その一方で、「取り組みや整備した制度はない」という企業も25.3%あり、取り組み度合については両極端な結果となりました。

「仕事と介護の両立への自社の取り組みは十分と思うか」については、「思わない」が38.0%で、「思う」の18.4%を大きく上回りました。また、「わからない」も43.4%いました。この回答からも「介護離職防止について、具体的に何をしていいかわからない」などと模索をしている企業が少なくないことが伺えます。

「十分とは思わない」と回答した企業に理由を尋ねたところ(複数回答)、「代替要員が確保できない」がトップでした。このほか、「前例が少ない」「介護に関わらず休暇が取りにくい」「職場の雰囲気(上司や同僚の意向)」など、企業風土などに問題があると思われる回答も見られました。介護離職防止に向けた企業の意識を改革する必要性がありそうです。

 

かいごのニュース 2023/10

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