2023.11.21お知らせ・新着情報

介護就労者が初めて減少に・・(2023年10月ニュース)

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日本経済新聞が10月23日「介護就労者 初の減少」と報じました。厚生労働省の調査によると2022年の離職者数が新規就労者数を上回り、実数にして約6万3000人(1.6%)減少したとのことです。
2000年に介護保険制度が始まって以降、全国で有料老人ホームやデイサービスが次々に開設されたこともあり、介護就労者数は一貫して増加を続けてきました。しかし、介護保険サービス利用者の増加もあり、現場では人材不足感が強くなっています。公益財団法人介護労働安定センターが発表した「2022年度介護労働実態調査」によると、介護事業者の66.3%が「人材が不足している」と回答しています。
国の試算によれば、2040年度には現在よりも65万人介護人材が必要となります。その確保に向けて、国も様々な対策を講じてきました。来年2月に実施が見込まれている「介護職月給6000円引上げ」などの処遇改善もその一つです。このほか、外国人や高齢者など多様な人材の活用、介護の仕事に関する魅力の発信などに取り組んでいます。それにもかかわらず、今回介護就労者が減少したという事実は、それらが効果を発揮していないということでもあり、根本的な見直しを図る事態も考えられます。

今回の報道では、介護就労者の減少の理由を「低賃金」と分析しています。近年、介護就労者の賃金は、国の施策や個々の事業者の努力もあり上昇傾向にあります。それでも厚生労働省の調査によれば、2022年12月時点での介護就労者の平均月収額は全産業平均より4万円以上低くなっており、給与面の不満を抱えている介護就労者は少なくありません。
特に2020年以降は、新型コロナウイルス感染症の影響で飲食業やサービス業の雇用環境が極めて厳しくなり、それらの業界で働いていた人が職を求めて介護業界に流れて来ていました。しかし、コロナ禍が一段落したことで、飲食やサービス業界が再び人を必要とし、積極的に募集活動を行っています。このことが、介護から他業界への人材流出を招いていると言えるでしょう。
昨今は、人件費を含め企業運営にかかる様々なコストが上昇傾向です。飲食店や一般的なサービス業では、それらを消費者に価格改定という形で転嫁できますが、介護事業ではそれが困難です。結果的に事業者自身での賃上げには限度もあります。他業界との賃金格差が広がり、介護業界からの人材流出はさらに続くことも考えられます。

 

かいごのニュース 2023/10

 

 

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