介護キーマンインタビュー

有限会社 ティエラ
代表取締役
重藤栄一 さん

3度の食事は全てホームで手作り。手頃な価格と良質なサービス両立。

重藤栄一さん

会社について教えて下さい。

もともとはダストコントロール事業を行っており、清掃用品や衛生商材のレンタルなどを手がけていました。2000年に介護保険制度がスタートしたのを機にレンタル繋がりで福祉用具貸与事業を開始しました。高齢者住宅は2009年に東大阪市で開設し、現在6棟を運営しています。

運営する高齢者住宅の特徴は何でしょうか。

今では低価格の高齢者住宅が増えましたが、当社が参入した当時は高額な入居一時金が必要な物件ばかりでした。そうした中で差別化のために「手軽な価格で入居できること」を追及しました。結果的に第1号物件は、家賃・食費・管理費で月11万3000円としました。その後も「介護・医療の自己負担を含め月15万円」を目安に企画・開発しています。
 また、低価格ながら食事にはこだわっています。外部事業者への委託ではありますが、全てのホームで、厨房で一から手作りしています。湯煎するだけの食材などは一切使っていません。やはり調理の音や匂いはご利用者様の生活に刺激を与え、食べる意欲に繋がります。
 最後に、東大阪で3棟、八尾で3棟と地域を絞って展開している点です。例えば感染症などでスタッフがしばらく出勤できないときには、他のホームのスタッフにサポートに来てもらわないといけないこともあります。全てのホームが相互に近い場所にあれば、サポートスタッフも確保しやすく、これまでと質が変わらないサービスを提供できます。

利用者へのサービス提供に対する考え方を教えて下さい。

介護はサービス業ですから、ご利用者様にいかに快適に過ごしていただけるかを最優先に考えなくてはなりません。しかし、そのためにスタッフの心身の健康が損なわれたりするのは企業の正しい姿とは言えません。スタッフが質の高いパフォーマンスをいつまでも継続できるように、労働環境の改善などに力を入れています。例えば、介護スタッフはなるべく介護業務に専念できるようにしています。

具体的にはどのような取り組みを行っていますか。

全てのホームに、正社員の事務スタッフを配置し、事務業務及び来館者の初期対応を全て行ってもらっています。介護スタッフは、ご利用者様のお世話もしながら来客の対応もするのは物理的にも困難です。過去には管理職の介護スタッフが、施設の職務も兼任していましたが、仕事量が多かったと感じていました。そこで10年ほど前より、特定のホームに所属しない本社スタッフの数を増やし、外部事業者との契約業務などはそのスタッフが行うようにしました。

そのことによる効果は見られましたか。

きちんとした統計はとっていませんが、離職率は低下したと実感しています。以前は、特に入社して間もないスタッフに「給料は増えた方がいいが、日々の忙しすぎる姿を見ていると、上の立場にはなりたくない」と考え転職してしまう傾向がみられましたが、今では「長く勤めよう」と考えるスタッフが増えていると思います。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

有限会社 ティエラ

http://lc-tierra.com/

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