介護キーマンインタビュー

日本ホスピスホールディングス株式会社
ファミリー・ホスピス京都北山ハウス ホーム長
杉田智子 さん

最期のひと時を自分らしく過ごす「住まい」。 グリーフケアなど家族の心もサポート。

杉田智子さん

経歴を教えて下さい。

看護師として20年以上のキャリアがあります。当初は集中治療室などで勤務していたのですが、「もっと患者一人ひとりの生き方に寄り添った看護がしたい」と思い、ホスピス(緩和ケア病棟)で約7年間、緩和ケアチームで3年半勤務し、その後は大学院で、がん看護専門看護師の資格を取得し、その後、京都大学医学部付属病院の緩和ケアチームで働きました。今年2月に日本ホスピスホールディングスに声をかけて頂き、入社しました。

「ファミリー・ホスピス京都北山ハウス」について教えて下さい。

5月8日に開設したばかりの37室の住宅型有料老人ホームです。建物には自社運営の訪問介護、訪問看護事業所が併設されています。入居するのは、主に末期がんやALSなどの神経難病の方で、残された時間を穏やかに、自分らしく過ごせるための「住まい」としての役割を果たしています。

開設して間もないですが、今後どのような「住まい」にしていきたいですか。

これまでの当社の物件のご利用者様は殆どが地域にお住まいの方です。それを考え、地域との交流・共生に力を入れていきます。新型コロナウイルスの感染拡大が続く今は難しいですが、4階にある多目的スペースを活用して、地域の方に向けた健康相談などのイベント・セミナーを行っていけたらと思います。また、地域のサークルやグループの活動の場として、多目的スペースを貸し出すことも考えています。
 次に「京都らしさ」を打ち出していくことです。建物内には厨房があり、自社で雇用した地元京都の調理スタッフの手で、京野菜など地元の素材を使い、ご利用者様が慣れ親しんできた京都の味を日々提供しています。また最上階からは京都の夏の風物詩「五山の送り火」も眺めることができます。京都は伝統行事・季節の行事を大切にする地域ですので、こうした季節の移ろいを直接的・間接的に感じられる工夫も行っていきたいと考えています。

スタッフには、どのような点を求めていますか。

「ホスピス住宅」は病院とは違う「自分の家」ですので、ご利用者様は自室での飲酒や、保険外サービスでスタッフが付き添っての外出など自由な暮らしができます。ご利用者様の多くは自分に残された時間は長くないことを感じておられますので、「最期に○○をしたい」といった要望が出てきます。それを叶えられるように最優先で行動できる思考、そして「このご利用者様はこうした希望を持っているのではないか、こうしたことができるのではないか」と気付く力を求めています。
 また、ご利用者様のご家族への対応に力を入れていく姿勢も求めています。大切な方を亡くすという辛い経験をしたご家族の心に寄り添い、支えていくことが求められます。中には葬儀・墓・相続などについての相談が寄せられることがあるかと思います。それについて、具体的な会社を紹介するなどということはありませんが、不安や疑問の解消に繋がるような適切なアドバイスができることを望んでいます。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

日本ホスピスホールディングス株式会社

https://www.jhospice.co.jp/ja/index.html

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