介護キーマンインタビュー

日本ホスピスホールディングス株式会社
代表取締役
髙橋 正 さん

「ホスピス住宅」全国で19棟運営。最期まで自分らしい暮らしを提供。

髙橋 正さん

会社やご自身の経歴を教えて下さい。

日本ホスピスホールディングス株式会社の設立自体は2017年ですが、法人としてのルーツはアルフォンスデーケン先生のヨーロッパホスピスツアーで感銘を受け、2014年二ファミリー・ホスピス鴨宮ハウスを開設したころからです。その後名古屋で末期がん患者専門のサービス付き高齢者向け住宅を運営していたナースコール株式会社という会社が合流しました。
 ホールディングスの傘下には、首都圏にカイロス&カンパニー株式会社、中京圏にナースコール株式会社という2つの事業会社があり、それぞれホスピス住宅を運営しましたが、今年4月1日に両社を統合してファミリー・ホスピス株式会社を設立しました。そして、今年5月8日に19棟目、関西では第1号となる「ファミリー・ホスピス京都北山ハウス」を京都市に開設しました。

運営する高齢者住宅の特徴は。

「ホスピス住宅」を名乗っています。末期がん患者など積極的な医療を受ける必要がなくなった方が、緩和ケアなどを受けながら残された時間を穏やかに過ごすための場所です。これまで日本ではホスピスは医療機関が運営することが多く、当社のような民間企業が多数・広域で展開するのは初めてのケースです。

なぜ、ホスピス住宅が必要なのでしょうか。

現在、日本では病院で亡くなる方が圧倒的に多くなっていますが、「最期を家で迎えたい」という声は年々増えて来ています。また、診療報酬や介護報酬もそれを後押しするような流れで改定されています。しかし、住宅事情や家族の介護力、地域の在宅医療の問題などから、最期を家で迎えるのが難しいケースが少なくありません。そうした中で、「病院ではない生活の場」で「医療・介護の専門家のケアを常に受けられる場」が求められているのです。
一般的な有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅では「介護が主」ですが、ホスピス住宅のご利用者様の中心である末期がん患者の方は、亡くなる直前以外の時期において身体介助はさほど必要ありませんし、認知症になっているケースも稀で、介護サービスの提供よりも緩和ケアなど医療の提供が主になります。

「ファミリー・ホスピス」の特徴をひとつ教えて下さい。

全てのホスピス住宅で建物内の厨房で自社スタッフによる手作りの食事を提供しています。ご利用者様にとって、いつ最後の食事になるかわかりません。個々の好みなどを最大限に反映できる体制を整えています。

今後の展開を聞かせて下さい。

日本人の平均寿命が長くなるに伴い、がんで最期を迎える人が増えています。ホスピス住宅のニーズが減ることはなく、今後も積極的な開設を図っていきます。関西では5月の京都市に続き、6月末に神戸市での開設が決まっています。また今後、大阪市での開設も計画しています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

日本ホスピスホールディングス株式会社

https://www.jhospice.co.jp/ja/index.html

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