介護キーマンインタビュー

ウェルネスサービス株式会社
統括部長兼アスター松原にしのの施設長
泉本貴洋さん

有給休暇の事後申請可など働きやすさ追求。離職少なく良質な介護サービスの提供可能。

会社の概要と、ご自身の経歴を教えて下さい。

大阪を中心に兵庫・東京で合計8ヵ所の歯科クリニックを運営する医療法人優祉会のグループ会社です。これまでもグループ会社では認知症グループホームなどの介護事業を手がけていたのですが、事業承継によるものでした。そこで高齢者住宅を新設運営することを目的に当社が設立されました。2018年松原市に住宅型有料老人ホーム「アスター上田」を開設しています。また7月15日には、同じ松原市で住宅型有料老人ホーム「アスター松原にしのの」を開設しました。
　私は、以前は自動車ディーラーで営業職をしていたのですが「何十年も先まで安定した業界だろうか」という不安がありました。そこで、20年前に知人の勧めもあり介護業界に転職しました。勤務していた社会福祉法人の理事が優祉会のマネージャーだったという縁で、17年11月に優祉会に入職しました。

会社の介護事業に対する考え方を教えてください。

建物はお金をかければ誰でも立派なものを作れます。ですので、介護サービス事業所の本質を決めるのはハードではなくソフト、すなわち人材だと考えています。スタッフが気持ちよく働け、長期にわたり持てる能力を発揮できる環境を整えることが、結果的にご利用者様に対する最良のサービスになります。

そのための具体的な取り組みとしてあげられることは。

「アスター上田」は29室の小規模な有料老人ホームですが、日中帯は直接介護に関わるスタッフだけで6人配置するなど比較的ゆとりのある人員体制にしています。このためスタッフも休みを取りやすく、有給休暇は口頭での事後申請も可能です。例えば子どもが体調を崩して急遽欠勤する場合でも、後から有給扱いにできます。有給休暇取得率はほぼ100％です。離職も少なく、オープン以来勤務しているスタッフも10人程います。人材派遣に頼らず全て直接雇用で対応できていますし、現在働いているスタッフの紹介による就業が非常に多いです。採用コストが殆どかからない分、その費用を労務環境改善に使え、その結果として離職率がさらに下がる、という好循環を生み出しています。

母体が歯科クリニックですが、その点で何か特徴は。

毎週水曜日には優祉会の歯科医師による訪問歯科診療が行われますし、入居時には全員無料で歯科検診を受けられます。また毎日昼食前には介護スタッフが考案したオリジナルの口腔体操を実施するなど、口腔ケアに力をいれています。私は20年のキャリアの中で数多くの高齢者施設で働いて来ましたが、アスター上田は誤嚥性肺炎になるご利用者様、食事を細かく刻まないと食べられないご利用者様の割合が少ないと感じています。