介護キーマンインタビュー

株式会社ラフラ
取締役ケア事業部部長
奥田勇気 さん

女性専用フロアなどユニークな取り組み。 副業推奨し、介護以外の知識・技能持つ人材育成。

奥田勇気さん

経歴を教えて下さい。

大学を中退し、改めて専門学校に入り理学療法士の資格をとり、8年前に訪問看護事業所での勤務を始めました。ラフラが訪問看護事業を新たに始めるのに際して声をかけてもらったのを機に転職しました。間もなく入社して2年になります。

運営するサービス付き高齢者向け住宅の中で、特徴的なものをひとつ紹介して下さい。

当社2棟目の住宅として2014年5月に開設した「シニアレジデンス彩那テラス武庫川」です。ユニークな点としては「レディースフロア」がある点です。この取り組みは関西では初のケースと自負しています。文字通り女性のご利用者様だけが生活する場で、通常は、スタッフ以外の男性は入れません。女性は異性がいる場ですと、どうしてもその存在を意識してしまい、気兼ねしてしまいがちです。女性しかない場で、心からリラックスして暮らしてもらえればと考えて導入しました。

1階にはお洒落なカフェもありますね。

今は新型コロナの影響で閉鎖していますが、当社で直営しています。また、その向かいには当社の母体である円徳寺があります。この辺りは武庫川駅から近い便利な場所ですが食事ができる店が少ないのがネックでしたので、地域へのサービスとして始めました。カフェがあればそこに人が集まります。また円徳寺も地域の古刹として人の出入りが多くありますし、寺院内でダンス教室をするなどコミュニティセンターとしての役割を果たしています。こうした地域の人たちが集まれる場所が隣接していることで、交流の場が自然に創出されます。
高齢者施設の中には地域との交流のためにイベントを企画したりしているケースも多いですが、それですと入居者の中にも「参加させられている感」があり、良質なコミュニティを長く持続させることは難しいのではないかと考えています。

スタッフ教育の面で心がけている点はなんでしょうか。

介護現場の仕事は外部との交流が少ないため、介護に関する技術や知識はあるが社会人としての常識や基本的スキルに欠ける人材が出てしまうというリスクがあります。それを避けるために、様々な分野の外部専門家によるセミナー・研修を行ってきました。しかし、これも会社側で一方的に企画・実施すると「受けさせられている」という意識が強くなります。そこで数ヵ月に1回程度「どのようなセミナー・研修を受けたいか」といった要望を募っています。学びたいことを自分で選べるため、参加意欲が高く、学んだことを吸収し、実践する力も身に付きます
 また、当社では社員の副業・兼業を認めています。これには「外の世界を知って、社会人としてのレベルアップにつなげて欲しい」という狙いがあります。社員には「最終的には独立して一国一城の主になること」を推奨していますので、それに向けた学びの機会にもなると思います。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社ラフラ

https://rahula.co.jp/

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