介護キーマンインタビュー

株式会社ラフラ
代表取締役社長
國廣宗隆 さん

個々の尊厳重視した安養の場を提供。 コロナ禍でも利用者の外出は制限せず。

國廣宗隆さん

会社の概要とご自身の経歴を教えて下さい。

阪神電鉄武庫川駅前にある、1530年開基の浄土真宗本願寺派の寺院、明照山円徳寺が母体です。現在、尼崎市の3棟のサービス付き高齢者向け住宅をはじめ、デイサービス、訪問介護、訪問看護、居宅介護支援事業所を運営しています。またグループ法人に、老健、デイケア、グループホーム、放課後等デイを運営する社会福祉法人サンシャイン、地域のコミュニティセンターを運営する公益財団法人好日荘があり、幅広い福祉事業を運営しています。
 私は海上自衛隊で勤務した後、92年に社会福祉法人に転職しました。マニュアルにとらわれない福祉をご利用者様に提供しようとの思いから97年に日本ビハーラ福祉事業団(現:ラフラ)を立ち上げました。

法人としての介護に対する考え方を教えて下さい。

旧社名にある「ビハーラ」とはサンスクリット語で「安養の場」という意味です。文字通り、「高齢者が尊厳を損なわれることなく、安養に生活する場を提供する」ことを目指します。そのために、私達の方から何か決まったものを押し付けるのではなく、一人ひとりにあったサービスを提供することをモットーにしています。当社および社会福祉法人サンシャインでほぼ全ての介護ニーズに応じられる体制は整えていますが、サ高住のご利用者様が、実際にそれを利用する、しないは全くの自由です。いわゆる「丸抱え」は当社では一切していません。

運営するサ高住の特徴を教えてください。

現在のご利用者様のうち7割が自立・要支援の方です。ご自身で買い物に行ったり、電車で梅田まで出かけたりと、入居前のご自宅での生活と全く変わらない暮らしを楽しんでいます。新型コロナウイルスの感染拡大が続いている状況ですが、特に外出は制限しておらず、行先さえ告げてもらえれば日中は自由に出入りできます。館内での生活も特に制限していることはなく、居室で飲酒をしてもいいですし、友人などを部屋に呼んでも構いません。
 仏教というと禁欲的で厳しい教えを守らなくてはいけないというイメージがありますが、浄土真宗は「人が煩悩を持ち、それを捨てられないのは当たり前」という前提に立っており、ざっくばらんな言い方をすれば「ゆるい」のが特徴です。

今後の展開を教えて下さい。

7月15日に4棟目となる「彩那パレス武庫之荘」を開設します。これまでの3棟とは異なり、医療対応に力をいれ、看取りまで想定した住宅としたのが特徴です。訪問看護など当社の医療体制もだいぶ整ってきましたので、今後はこうした従来とは異なるタイプのサ高住の開設にも注力していきます。
 エリアについては、現在の地盤である尼崎に拘らず広く展開していきます。11月には縁があって北九州に訪問介護・訪問看護事業所を開設することになりましたので、九州でのサ高住運営は早急に検討したいと思います。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社ラフラ

https://rahula.co.jp/

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