介護キーマンインタビュー
株式会社E.Tライフケア
代表取締役
恵本崇 さん
「誰のため?何のため?」の意識を徹底。1人ひとりの満足度向上を重視。
ご自身の経歴や会社について教えて下さい。
医療機関で入院相談及び広報(営業)として、約13年間働いていました。私が起業できたきっかけは、営業の仕事でお付き合いしていた日健マネジメント様が開発中の住宅型有料老人ホームを運営してみないかというチャンスを与えてくれたことです。2011年開設の住宅型有料老人ホーム「フォーユー堺深阪」と、2015年開設の住宅型有料老人ホーム「フォーユー堺東湊」の2棟の運営を日健マネジメントから委託して頂いております。居室数は合計で88室です。
介護などのサービス提供の面で心がけていることは。
ご利用者様全員が100%満足するサービスの提供は不可能です。例えば、ご利用者様の中には生活保護を受けている方もいれば、十分な資産を持つ方もいます。ベッドから起き上がることもままならない方もいれば、自力での外出が可能な方もいます。資産や身体状況により、満足する生活のレベルは一人ひとり異なります。そのレベルをしっかり把握して「その人が出来ることを観る。それを叶える」サービスを提供する必要があると考えています。
しかし、以前の私も同様に介護をはじめとする福祉の現場では、どうしても「一番困っている人、一番生活水準が下の人」を基準にしてしまいがちです。そうすることで、出来ることが出来なくなったり、やる気を失ったり、あきらめたりとQOLの質は低下してしまいます。ADLを低下させないためにQOLに意識した関わりを心がけています。
スタッフ採用・教育についての考え方は。
理念の共有と考え方・思考の教育が中心です。なぜかというと、いくら技術、知識、経験があっても使うのは〝人〟だからです。自分が行っている業務が何のためなのか?その目的を達成するためにはどうすれば良いのか?という風に、常に目的を視て手段を用いる習慣を持つことが重要です。例えば、スタッフ同士のかかわりの中でも、「こんなことも出来ない」等、口に出す人もいれば、心の中で思っている人もいると思います。そんな時は「出来ないということが分かった。だからこの人に出来る様になってもらうためにはどうしたらいいか?」という風に考えてもらうよう努めています。
そうしたスタッフに求める思考とはなんでしょうか?
今、自分がしている業務は「誰のために行っているのか」を意識することです。介護であれば「ご利用者様」「家族」「行政」「ケアマネジャー」など対象は様々で、その対象により業務に求められるものが違います。それを把握できれば、仕事の目的も明確になり、無駄を省いた質の高い業務が効率的に行えます。そのことが結果的に自身のモチベーション向上などに繋がります。他人のために行った行為は結果的に自分のためになりますが、「自分のために」を前面に出した行為は、周囲に迷惑をかけるなどして、いい結果に繋がらないことが多いのではないでしょうか。
貴重なお話、ありがとうございました。
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