介護キーマンインタビュー

株式会社ケアマインド
代表取締役
成徳明伸 さん

「受け入れ断らず」が創業来のモットー。 スタッフは全て自社直接雇用。

成徳明伸さん

会社の概要やご自身の経歴を教えて下さい。

2006年に設立しました。私はそれまで車椅子メーカーに勤務していて、特養や病院の立ち上げ支援にも携わりました。そのノウハウを活かして兵庫県川西市で福祉用具事業とデイサービスを始めました。介護・福祉業界に携わって約30年になります。現在は「こころ・そらグループ」として、18年12月に開設したサービス付き高齢者向け住宅「レガロアコンフォート川西けやき坂」など、川西、伊丹、尼崎で幅広い介護事業を展開しています。

介護に対する考え方を教えて下さい。

私が創業する前の介護事業所の中には、困難事例の受け入れを拒否するなど「利用者を選んでいる」と思われるところもありました。それに対し私は「利用に関する問い合わせは断らない」ことを創業時に信条として掲げました。例えば11年前に開設したグループホームでは当初から看取りを想定していました。現在は自社でサ高住、グループホーム、小規模多機能、デイサービス、訪問介護、訪問看護、ケアプラン、福祉用具を運営しており、比較的軽度から終末期までのあらゆる状況に自社で対応できる体制を整えています。

人材採用・教育などの面でこだわっている点はありますか。

創業間もない時期を除いて、人材派遣などに頼らずスタッフは全て自社雇用で確保しています。派遣を使えば目先の人数は確保できますが、どうしても社員がそれに頼り、甘えてしまい、成長しなくなります。働いているのが同じ会社の人間であれば指導・教育をしっかり行おうという気持ちが生まれます。今いるスタッフでシフトをきちんと組めるように創意工夫をするようになります。
 また、採用に際してはあまり高いハードルを設けず、3ヵ月の試用期間内で適性や能力をしっかり見極め、優れた人材を本採用するようにしています。介護業界での経験や保有資格にこだわっていると、「介護の知識や技術面では優れているが、他のスタッフとの協調性がない」「以前の職場でのやり方などにこだわり、柔軟性がない」などといった人材を採用してしまいがちです。

現在、会社全体で取り組んでいることはありますか。

事業所の数が増えたことに加え、コロナ禍で事業所間の直接の行き来が減ったこともあり、会社全体としての統一感が薄れ、各事業所がバラバラの動きをしていることが課題となっていました。例えば備品の発注も事業所ごとに行っていたため、ボールペンひとつとっても事業所間で数倍の価格差がでていました。そこで仕入れる商品のメーカー・仕様・価格について全社で統一しました。これにより、各事業所での発注時に「どこのメーカーの何がいいか」「値段はこれでいいのか」と悩む必要がなくなります。同様に在庫管理などについても方法を全て統一しました。こうして介護現場の無駄をなくすことで、スタッフがご利用者様一人ひとりにじっくりと向き合える時間を確保できるようにしています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社ケアマインド

https://www.caremind.co.jp/

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