介護キーマンインタビュー

スミリンケアライフ株式会社
代表取締役社長
町野良治 さん

住友林業のノウハウ活かし「良質な住環境」追求。 木の香りや温もりで、住む人の心身に安らぎを。

町野良治さん

会社の概要と、ご自身の経歴を教えて下さい

神戸製鋼の子会社神鋼ケアライフとして1991年に設立され、神戸市内で「ドマーニ神戸」「エレガーノ摩耶」「エレガーノ甲南」の3棟の介護付有料老人ホームを運営してきました。2017年に住友林業の子会社になり、翌年スミリンケアライフに社名を変更しています。20年5月に、住友林業グループ入りしてから初の新設物件となるサービス付き高齢者向け住宅「エレガーノ西宮」を開設しました。

 私は住友林業の執行役員や子会社の社長などを経て、21年1月にスミリンケアライフの社長に就任しました。

運営する高齢者住宅の特徴は。

いずれも、自立した生活が可能な方を対象にした「一般居室」と、介護が必要になった方向けの「介護居室」を設けています。お元気なうちに一般居室に入ってもらい、介護が必要な状態になったら介護居室へ移る、という住まい方を提案しています。また、エレガーノ西宮をはじめとする当社の介護居室は重介護の方でも対応できるように、24時間体制で看護師が2名以上常駐していることや、全ホームに協力医療機関としてクリニック(テナント)があり、ホームドクターとしての役割と共に、近隣にある協力医療機関の総合病院と連携し医療・看護体制が充実していることも魅力の一つです。

ハード面での特徴は。

住友林業グループになってからは「木の力を活用した、良質な住環境づくり」に注力しています。退去がある度に、寝室の壁を木目調にしたり、間接照明にしたりして、快適な睡眠がとれるようにしました。リノベーションに際しては住友林業筑波研究所と連携して、木の温もりや香り、手触りなどが人の心身にどのような効果をもたらすかを研究しています。また、一部のホームにおいては、大阪市立大学との産学連携協定で生まれた認知症新型ユニット連携ケア「ケアド・コモン」を実践しています。ここもテーマは「木」で、フロア中央に大きな人工の木を設け、自然に人が集まる「社会」を作り出した上で、ドッグセラピー、園芸療法、タクティール®・ケアなどを実施し、認知症の進行予防などに取り組んでいます。

人材採用や育成などの面で力を入れている点はありますか。

当社の離職率は6.7%と介護業界全体の半分以下の水準です。離職者が少ないことでホーム内にケアに関する情報・ノウハウ・スキルが蓄積され、それがケアの質を向上させるという好循環を生み出しています。

低い離職率を実現できている理由としては、「長時間の残業がない」「しっかりとしたキャリアパスの構築」「全民間企業正規従業員の平均並み給与水準の実現」、などが挙げられます。神戸製鋼も住友林業も「人への投資は惜しまない」という企業風土であり、介護事業の根幹である「人」とを大切にし、処遇改善や福利厚生などにしっかり取り組んで来た結果であると思います。今後は新卒の介護現場スタッフの採用活動に力を入れていきたいと考えています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

スミリンケアライフ株式会社

https://www.s-carelife.co.jp/

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