介護キーマンインタビュー

opsol株式会社
代表取締役社長
鈴木征浩 さん

終末期・難病患者も積極受入。「日用品使い放題プラン」で入居費用透明化。

鈴木征浩さん

会社とご自身の経歴を教えて下さい。

創業は2005年です。本社は三重県ですが、高齢者住宅は愛知県内で2棟、大阪府内で3棟を運営しています。大阪府岸和田市の「パリアティブケアホーム ほしの岸和田」は2021年10月に開設したばかりです。もともと私は大阪で全く別の仕事をしていたのですが、そこを退職し、郷里の三重に戻っていました。限界集落が多数あるような場所であり、そこで過ごしているうちに、超高齢社会の問題解決に少しでも寄与したいと考えるようになり、10年前に社会福祉法人に入職しました。その後現在のopsolに移り、21年10月1日付で社長に就任しました。

運営する高齢者住宅の特徴は。

ホームのブランドになっている「パリアティブケア」とはWHOでは「全人的緩和ケア」と定義付けられています。終末期などにおいて肉体的な苦痛はもちろん、精神的なものなどありとあらゆる苦痛を取り除くことを目的とするケアです。在宅におけるこのパリアティブケアの提供を第一に考えています。
 全てのホームには自社が運営する訪問介護事業所・24時間対応の訪問看護事業所を併設もしくは近隣に設置しており、ターミナル期の方やパーキンソン病・ALSなどの難病の方を受け入れる体制を整えています。ちなみに、当社ではこうした方々が置かれているような、人生において継続的に看護が必要になった時期のことを、「要看護期」と呼称しています。自傷や他害の恐れが強い方など、ホームでの生活に適さない方を除いては、依頼・相談があれば「まず受け入れること」を前提に対応します。ご利用者様の平均要介護度は4.1~4.2と特養並みの高さです。

そのほかに特徴はありますか。

料金体系を明確化しています。一般的なホームではオムツなどの介護用品・日用品は使用量に応じた実費請求のため、ご家族にとっては「パンフレットに載っていない費用を請求された」「毎月の支払額が一定しない」など、ホームへの不信や不満につながる可能性があります。そこで、一部のホームでは月額2万9700円のオプションでオムツ、シャンプー類、タオルなどの介護・日用品が使い放題になり、リネンのリースや洗濯補助、その他のサポートサービスもご利用いただける仕組みを導入しました。このオプションがあるためパンフレット等上でご紹介している月額モデル費用(代表的なオプションサービスを含めた費用)は、「ほしの岸和田」の場合で16万7000円と近隣のホームに比べてやや高くなっていますが、仕組みをしっかり説明すると、納得され、喜んでいただけるご家族が多いです。

スタッフ採用・教育などの面で力を入れていることはありますか。

「終末期中心」などホームの特徴を求人時にしっかり出しているので、看護師・介護スタッフともに、それを理解し、スキルの高い人や意欲・興味のある人が応募をしてくれています。募集時の間口はどうしても狭くなりますが、その分ミスマッチは少なくなります。スタッフに求めるものは「コンプライアンス」「集団ケアではなく個別ケア」意識です。後者についてはご利用者様一人ひとりについて、画像や動画を交えた個別対応マニュアル・手順書を作成してクラウド上に保管し、スタッフは誰でも見られるようにしています。このことで「個別ケアの標準化」を図っています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

opsol株式会社

https://opsol.co.jp/

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