介護キーマンインタビュー

ハートフルM&H株式会社
代表取締役
玉寄弘美 さん

「特別でないところに心を配る」がモットー。スタッフには、ご利用者様の些細な変化に気づく観察力を。

玉寄弘美さん

会社の概要やご自身の経歴を教えて下さい。

介護業界でのキャリアは20年になります。訪問介護からスタートし、介護の責任者を経て、介護付有料老人ホームやグループホーム長を経験しました。日健マネジメントが門真市に有料老人ホームを開設することになり、ご縁が重なって、2011年にハートフルM&Hを設立しました。

会社の強み、特徴を教えて下さい。

開設以来、私が法人の代表と施設長を務めて来ました。運営するホームは45室の「フォーユー門真」だけであり、私と一緒に立ち上げた介護・看護責任者とで情報共有し、全てのスタッフ、ご利用者様の状況を把握し、医療機関とタイムリーな連携を取るようにし、適切な指示伝達、対応ができる環境下にあります。大手の介護事業者ですと施設長の交代やスタッフの異動もありえると思います。その都度スタッフや利用者様、ご家族との関係も一からの構築となりますし、ホームの運営方針が大きく変更される可能性もあるかと思います。当社ではそれがありませんので、入居当時からの身体状態や精神状態の変化、ご家族様の想いへの理解も深まります。安心を少しでも多く提供していきたいと励んでおります。

介護に対する考え方を教えて下さい。

「特別でないことに、いかに心を配るか」です。例えば、安否確認や水分補給のために全居室回ってお茶を配っていますが、ただ配るのと、どれくらい飲めているのか、むせ込みはないか、コップやストローなどの容器は適正かなどといった点に加えて」室温や換気状況など、色々なことに心を配りながら回れるかは大きな違いとなります。
昨今のホームの中には、イベントやレクリエーションなど非日常・特別な部分で差別化を図ろうとする所も少なくありません。しかし、イベントやレクリエーションは毎日できるものでもありません。また、ご利用者様の募集活動の中で「どんなことでも対応します」と説明をしている所も見受けられますが、実際には対応できないこともありますし、対応するにはスタッフに必要以上の負担を強いなければならない場合もあります。できなければ、結果として、「どんなことでも対応します」という言葉が偽りになり、運営者とご利用者様・ご家族との間の信頼関係を損ねることにもなりかねません。そうしたことを避けるため「理想論でホームを語らない」ようにしています。

スタッフの採用や育成についての考え方を教えて下さい。

単なる掃除・洗濯を提供するのであれば家事代行サービスでも対応できます。介護のプロとして、ご利用者様の日々の様子から体調などの変化を読み取る観察力、その変化に合わせて最適な行動や報告を素早く行える力を身に付けてもらいたいと思います。ただし、特定のご利用者様の声を聞いてその場だけの行動することは好ましくないこともあります。ご利用様やご家族からの要望については、独断で返答するのではなく「できること、できないこと、全体で相談しないといけないこと」なのかを判断でき、その内容は生活するために必要なのか、命に関わることか、日々のサービス改善が必要なのかを判断し、丁寧に対応できる人材であることを求めています。加えて「変化に気付く」「提案できる」「改善策を考える」「当たり前のことを極める」人材に育って欲しいと思っています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

ハートフルM&H株式会社

https://fururu.amebaownd.com/

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