介護キーマンインタビュー
株式会社エンゲージメント
ひなた生野施設長
武田和樹 さん
日中4名・夜間2名看護師が常駐。32名の入居者のうち8名が難病指定。
経歴を教えて下さい。
介護業界歴は9年になります。以前は大手民間介護事業者で働いており、当社代表の橘とはそのときに上司・部下の関係でした。昨年11月の「ひなた生野」の開設に際して橘から声をかけられて入社しました。
「ひなた生野」について教えて下さい。
30室・定員32人のサービス付き高齢者向け住宅です。最大の特徴は外部の訪問看護事業所と密な連携をし、日中帯は4人、夜間帯は2人の看護師が常駐している点です。これにより、ほかの高齢者住宅では受け入れが困難な医療対応を必要としている方でも安心して生活できます。現在のご利用者様のうち、8名がALS、パーキンソン病などの難病指定を受けています。末期がんの方も受け入れており、開設してまだ2カ月ですが、すでに看取りも行っています。
そのような医療対応が必要な方を受け入れる上で、注意している点や心がけている点があれば教えて下さい。
ご利用者様に対しては、身体的に外出することが難しい方が多いため「いかにホーム内での生活を楽しんでもらえるか」を考えています。例えば食事の質の充実です。1ヵ月(30日)の食費は税込み4万8600円と、家賃・共益費のレベルに比べると高い水準ですが、非常に評判がよく、開設後1件もクレームが出ていません。ある男性のご利用者様は、入居前には「私は食が細いから、食事は1日1回でいい」と言っていましたが、入居後に「おいしいので、3食出して欲しい」と言ってきました。
スタッフに対しては、これまで接したことがない病気のご利用者様に接することが不安にならないようフォローしています。これまで受け入れた実績がない病気の方が新たに入居するときは、私が主治医に病気のことや生活上の注意点など聞きに行くなどして情報を仕入れ、それをスタッフに伝えるようにしています。
ご家族に対しては、「病院ではなく、家である」ということを理解してもらうように心がけています。例えば、今は新型コロナウィルス感染症の状況を考え面会は制限していますが、本来は、日中帯は事前連絡なしでいつでも可能、夜間帯でも事前に連絡していただければ可能にしています。
今後、取り組んでいきたことは何でしょうか。
入居者募集活動が一段落し、スタッフも業務に慣れ、イベントやレクリエーションなどを本格的に始めようと思っていた矢先に、コロナの第6波が始まってしまいました。今、こうした状況の中でできることは何かを考えています。もともと、ご利用者様の身体の状況などから外出レクリエーションや大掛かりなイベントなどは難しいと考えていましたので、節分などご利用者様がこれまで自宅でしてきた年中行事、入浴などの日常生活などを、ホーム内でも楽しめるように工夫したいと思います。また、これも今後のコロナの感染状況次第ですが、バザーなど地域住民の方々との関係性を深めていくような取り組みを行っていきたいと考えています。
貴重なお話、ありがとうございました。
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