介護キーマンインタビュー
株式会社エンゲージメント
代表取締役
橘 直毅 さん
医療対応が必要な方を積極受入。2棟目は開設1ヵ月で満室に。
会社の概要や、ご自身の経歴について教えて下さい。
介護業界でのキャリアは通算20年になります。社会福祉法人、大手民間介護事業会社勤務を経て2019年に起業しました。20年6月に大阪府八尾市で定員55人のサービス付き高齢者向け住宅「ひなや八尾」を、21年11月に定員32人のサ高住「ひなた生野」を開設しています。また、22年秋には大阪市内で3棟目の開設を予定しています。
運営するサ高住の特徴は何でしょうか。
知り合いが経営する訪問看護事業所と密な連携を図って医療対応が必要な方の受け入れを積極的に進めています。看護師が24時間常駐していますので、気管切開で夜間も痰の吸引が必要など、ほかの高齢者住宅では生活が難しい方も生活が可能です。2棟とも平均要介護度は4を超えています。世間にはこうした高齢者住宅が少ないこともあり、兵庫県尼崎市から移ってきた方もいます。2棟目の「ひなた生野」は、医療機関からの問い合わせなどで、開設1ヵ月で満室になりました。
サービス面などでの特徴や力を入れていきたいことはありますか。
ご利用者様は、病気で身体は動きませんが、見たり聞いたりすることは問題がない方が多いです。新型コロナの感染状況が落ち着いているときは、そうした方が楽しめる音楽鑑賞などのイベントの開催に力を入れてきました。
スタッフの採用・育成・処遇改善などの面で取り組んでいることはありますか。
ほぼ紹介だけでご利用者様が確保できていますので、ほかの高齢者住宅に比べて営業コストがかかりません。その分をスタッフの処遇改善に回せます。給与水準は業界平均を上回っていると思いますし、定期賞与に加え、正月にはお年玉などの寸志を支給するなどしています。ただし、当社のホームは特養や老健を越える重度の方の多さですので、「サ高住は軽度者が多い」というイメージを持って応募して来たスタッフの中には、実際とのギャップに驚き、戸惑う人が少なくありません。今後は、そうしたミスマッチを防ぐためにも、リファーラル採用などに力を入れていきたいと思います。
今後の事業展開などを教えて下さい。
今後もこうした医療対応が必要な方を対象にしたサ高住を大阪府内で開設していきます。5棟程度までは視野に入れています。また訪問看護事業を自社で行う可能性もあります。
そして、これは介護事業ではありませんが、4棟目は土地・建物を自社所有で運営することを目指しており、それに合わせて敷地内にカフェを開設したいと思います。ご利用者様に店員を務めてもらうことで、要介護度・認知症の進行予防だけでなく、「自分が社会の役に立っている」という喜び・充実感を味わってもらいたいと考えています。また、私自身が大のコーヒー好きですので、カフェは豆にこだわるなどして、「コーヒーが美味しいカフェ」として話題になればいいなと思います。
貴重なお話、ありがとうございました。
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