介護キーマンインタビュー

株式会社ライフエール
代表取締役
鳩山賢次 さん

母体が病院 医療対応などに強み。「やりたい介護をできる環境」が優秀な人材呼び込む。

鳩山賢次さん

会社やご自身の経歴を教えて下さい。

1989年設立の奈良東病院が母体です。病院では当初から高齢者医療に注力し、リハビリテーションにも力を入れてきました。ライフエールはその関連法人として97年に設立されました。高齢者住宅は大阪市、大阪府枚方市、奈良県香芝市で介護付有料老人ホームを、奈良市でサービス付き高齢者向け住宅を運営しています。
 私は95年に奈良東病院に入職し、経理を担当してきました。2005年よりライフエールの代表取締役を務めていますが、奈良東病院の事務長も兼務しています。

運営する高齢者住宅の特徴を教えて下さい。

地元の奈良県天理市では、病院を核にした地域包括ケア体制の構築を進めてきました。そのノウハウをそのまま高齢者住宅の現場に活かせる点が大きいでしょう。例えば、看護師などの人材も病院で育成して高齢者住宅に送ることができます。
 しかし、大阪市の「ライフエール加島」と枚方市の「ライフエール御殿山」は、天理市から距離があるため人材の異動が難しく、奈良東病院のブランドも地元の方にはなかなか通用しません。そこで2年程前より、独自の形で周辺物件との差別化を図っています。「加島」は21年5月に館内に自社運営の訪問看護ステーションを開設し、ホスピスケアの提供を開始しました。また、22年2月からは外部の会社と提携し、自費の脳梗塞リハビリを受けられる体制を整えています。まず加島でこうした差別化を図りながらニーズを見極め、それを元に「御殿山」についても差別化を進めていきたいと考えています。

スタッフの育成・定着などの面で注力していることはありますか。

介護業界は人手不足ということもあり、スタッフの中には「真面目に働かなくてもクビになったりしないだろう」という甘えが生じることがあります。そして、そうした不真面目なスタッフの存在が、真面目なスタッフの業務負担増や不平不満となり退職につながってしまうというリスクがありました。
 そこで1年ほど前より、ボーナスを「一律基本給の○ヵ月分」ではなく、各人の意欲や実績などに応じて支給する仕組みにしました。結果として、勤務態度や職務遂行能力に難があるスタッフが退職しました。今は、そこに意欲などに優れたスタッフを採用し、介護技術やサービス品質の底上げを進めている最中です。

人材採用に際しての考え方を教えてください。

給与や勤務環境などの処遇も大切ですが、スタッフにとっては「自分がやりたい介護ができる」ことが勤務先選びの際に重要になると思います。「加島」でホスピスケアを始めたように、各事業所が明確な特色を持つことが、求職者への最大のアピール材料になるでしょう。そのためにも、各高齢者住宅の差別化を打ち出していきます。それには「ほかの高齢者住宅の特徴・取組み例」を現場スタッフ自身もよく学び、知ることが重要です。コロナ禍で限界はありますが、外部の研修や交流会などに積極的に参加する意欲のある人を求めています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社ライフエール

http://160.16.102.151/home/index.html

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