介護キーマンインタビュー

株式会社誠和
夢楽庵 施設長
前田可奈子 さん

「家庭的雰囲気」と「サービス業としてのレベル」両立。瀬戸内の鮮魚を楽しむ「お魚レク」が人気。

前田可奈子さん

経歴を教えて下さい。

飲食・サービス業界で長く働いており、自分でクレープのキッチンカーを運営したこともあります。縁があって、当社の社長と知り合い結婚しましたが、会社の業務については少し手伝う程度でした。5年ほど前に、西宮市で運営していたデイサービスの管理者が退職することになったのを機に、その後任として本格的に会社に携わるようになりました。昨年12月のサービス付き高齢者向け住宅「夢楽庵」の開設に際して施設長に就任しました。

飲食・サービス業での経験が、介護事業にプラスになっている面はありますか。

まず「介護はサービス業」という基本理念がしっかり確立できているという点です。目の前にいるのは「お客様」です。家庭的な雰囲気を出したり、ご利用者様と冗談を言い合えるほど親しくなったりするのはいいことですが、「お客様」と「サービスを提供する側」としての立場の違いをわきまえ、「これ以上踏み込んではならない」という明確な線を引きくことは必要です。「親しき中にも礼儀あり」で、品位に欠ける言葉遣いや態度にならないように心がけていますし、スタッフに対してもその点はしっかりと徹底させています。
 また、「相手の立場に立って考え、行動できる」点も強みです。ご利用者様やご家族が発した一言についても「どのような気持ちから出た言葉なのか」と、言葉の裏に隠された思いを汲み取った上での適切な対応ができていると思います。

「夢楽庵」の特徴を教えて下さい。

サービス付き高齢者住宅は、文字通り「住宅」であって「施設」ではないことを重視しています。コロナ禍ですがご利用者様はヘルパーの付き添いがあれば外出できますし、自室内で管理・消費するのであれば食べ物の持ち込みや差し入れも自由です。近くにスーパーがあるので、買物などを楽しんでいるご利用者様もいます。
 日々のケアも会社側の都合ではなく、可能な限りご利用者様に合わせて提供しています。例えば、夜間の巡回は決まった時間に一斉に行うのではなく「このご利用者様は、そろそろ排泄のために目が覚める時間だろう」などといった点を把握し、個々に適切な時間に行っています。そのためにも外部事業所を含めた関係者の間で申し送りなどの情報共有を密に行うようにしています。

逆に、課題と感じていることや、今後力を入れていきたいことは何でしょうか。

オープン以来ずっとコロナ禍でしたので、レクリエーションを十分に行えていないのが課題です。社長が釣り好きですので、釣ってきた魚は私が捌いて刺身や鍋にして皆で食べるというユニークなレクも行っており、ご利用者様にも好評ですが、さすがに毎日実施するわけにはいきません。今はコロナの状況も若干落ち着きを見せていますので、しっかりと感染予防対策をしながら、カラオケや体操など介護予防・リハビリテーションにつながるようなレクを皆で楽しんでいければと思います。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社誠和

https://seiwa-murabito.com/

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