介護キーマンインタビュー

株式会社誠和
代表取締役
前田智基 さん

会社の都合や考えを押し付けないケアを実践。スタッフの子連れ出勤可能で多世代交流も盛ん。

前田智基さん

会社の概要やご自身の経歴を教えて下さい。

設立は2011年で、「夢楽人(むらびと)」というデイサービスを西宮市で2ヵ所、羽曳野市で1ヵ所運営しています。西宮のデイは民家を改修した、いわゆる「お泊りデイ」です。また、21年12月には、当社初の高齢者住宅「夢楽庵」を寝屋川市に開設しました。定員54名のサービス付き高齢者向け住宅です。
 私は、元々コンサルタントとしてこの会社に関わってきました。約7年前に当時の経営者から「会社を引き継いでもらえないか」と声がかかりました。そうした経緯もあり、現在は介護事業のほかに、介護事業に特化したコンサルティング業務も手掛けており、新規開設のサポートやコンプライアンスチェックなどを行っています。

介護に対する会社の考え方を教えて下さい。

家族の介護問題に直面しているのは、ほとんどが50代以上の人でしょう。その年齢を考えると、「家族の介護とは『人生最後の子育て』に直面している状況」と言い換えることができると思います。子育てに対しては誰もが自分なりの考えや方針があり、それを実践して来たと思います。同様に、介護についても家族それぞれに考えや方針があるはずです。それを最大限に尊重し、会社側の考えや都合を押し付けないことを重視しています。
 「夢楽庵」では外部の訪問看護事業所と連携して、看護師が日中は常駐、夜間はオンコール対応しており、これまでにもターミナル期に近い方などの受け入れ実績があります。しかし、当社の方で、特に「重度の方や医療的ケアを必要とする方向けの住宅」など特定の層に向けたアピールはしていません。それぞれに考えや事情があって「夢楽庵」への入居を望んだのですから、それを尊重し、どのような方でも受け入れていきます。

スタッフの雇用・教育などの面で力を入れている点は何でしょうか。

介護現場は、パートの主婦など子どもを持つ女性の力に頼る部分が少なくありません。彼女たちが働きやすい環境の構築に努めています。
例えば「夢楽庵」では子連れ出勤が可能で、現在5名のスタッフが子連れ出勤をしています。建物内に保育園や託児所がある訳ではありませんが、子どもはその日出勤しているスタッフが交代で面倒を見ます。子どもの年齢制限もありません。子どもがいることがご利用者様に刺激を与えるといったメリットも期待できます。また業務のICT化を進めており、記録など書類作成業務を大幅に削減しました、現在は、残業ほぼゼロを実現しています。
こうした取り組みの結果、出産や育児が原因での離職が少なく、訪問ヘルパー以外は、業務に必要なスタッフ数は確保できています。

今後の事業展開を教えて下さい。

23年2月に西宮市で30床のサ高住を開設します。西宮ではすでにデイを運営していますので、ここと効果的な連携を図っていくことが可能になると思います。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社誠和

https://seiwa-murabito.com/

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