介護キーマンインタビュー

有限会社ハートフルケア
ハートフルケアGroup 代表
三宅圭一 さん

今後は看護師24時間常駐を基本体制に。薬局経営の強み活かし入居者の「減薬」に注力。

三宅圭一さん

会社の概要やご自身の経歴を教えて下さい。

母が難病を患っていたこともあり、中学生のころから「将来は薬に携わる仕事をしたい」と考えていました。大学は薬学部を選び、卒業後は大手薬局チェーンに就職しました。当初から起業を意識しており、1989年に24歳で独立し薬局経営を始めました。
 99年に介護事業を目的にハートフルケアを設立しました。居宅介護支援事業と福祉用具事業からスタートし、2015年よりサービス付き高齢者向け住宅「ロイヤルホーム」の運営を手がけています。現在、大阪市や吹田市、豊中市などで8棟を運営しています。

「ロイヤルホーム」の特徴はなんでしょうか。

元々が薬局経営という強みを活かし、ご利用者様の健康の維持・増進には注力しています。また、薬剤師が積極的に関与してご利用者様の「減薬」にも取り組んでいます。しかし、ただ「薬を減らしましょう」と呼び掛けただけでは、本人や家族様の中には理解していただけない場合もありますので、「薬がいらない」という科学的な根拠をしっかり示すことにしています。
ロイヤルホームでは睡眠時の状況をモニタリングできるシステム「眠りSCAN」を全室に導入しています。ご利用者様の中には不眠を訴える人も多いのですが、実は本人がそう思っているだけで、実際には十分に眠れていることが少なくありません。眠りSCANのデータを示すことで「睡眠導入剤は不要だ」ということを理解してもらいやすくなります。

食事についても独特の取り組みをしているとか。

20代の頃に東洋医学を学んでいたこともあり、それを活用した「五味をしっかり感じることができる食事」を重視しています。一般的には「薄味の食事が健康にいい」とされていますが、味覚が鈍くなった高齢者は、薄味だと美味しいと感じずに食事を残してしまいます。いくら健康に良い食事でも食べなければ低栄養になりますし、体力もつきません。「まず、残さずに食べてもらう」ことを念頭に、砂糖や塩の使用量には注意しつつ、出汁などを活用してしっかりした味の食事を提供するようにしています。

今後、目指していきたいケアやホームの姿について教えて下さい。

21年に開設した「健都」「吹田駅前」は24時間看護師常駐体制を実現し、医療的対応が必要な人、ターミナル期の人でも安心できる体制を構築しました。今後は、これをロイヤルホームの基本スタイルとしていきます。22年4月開設の「東淀川」も近々24時間看護師体制にする予定ですし、その後は既に運営しているホームについても同様の体制としていく予定です。

スタッフの採用や教育に関して力を入れていることは何でしょうか。

スタッフには「人が好き」であることを第一に求めています。ご利用者様や同じ職場の中に「苦手」と感じる人がいるのは仕方ありません。しかし、苦手だからとその人の全てを否定・敬遠するのではなく、尊敬できることや好きなところを一つでも見つけようとする姿勢が大切です。否定ばかりの考え方では自分も周囲も不幸になります。少しでもポジティブな考えを持つことが、職場を明るくし、自分自身も楽しく成長できることにつながると考えています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

有限会社ハートフルケア

https://www.heartfulcare.com/royalhome/

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