介護キーマンインタビュー

有限会社ViVifala
事業本部マネジャー
山下弘美 さん

タイプの異なる住宅型有老を同一敷地で性格や望む生活スタイルにあわせて選択可能。

山下弘美さん

経歴を教えて下さい。

2012年に初めての介護の仕事として当社で働き始めました。「働きながらヘルパー2級の資格を取れる」とハローワークに勧められたことがきっかけです。その後「他の世界も見てみたい。そこで成長して再び戻ってこよう」と考え、一度退職し、3年程前に戻ってきました。1年前より現在の役職で働いています。

運営する高齢者住宅の特徴を教えて下さい。

和歌山市内で10年開設の「湧れの杜」、13年開設の「粋の杜」と2棟の住宅型有料老人ホームを運営しています。定員はそれぞれ10人、11人です。同じ敷地内に建っているのですが、建物の形状、入居者層などは全く違います。
 「湧れの杜」は、購入した土地に建っていた日本家屋を改修したものです。元々が家だったこともあり、ご利用者様も「一つの家で、皆でワイワイ楽しむ」という生活を好む方が多くなっています。「粋の杜」に比べると、ご利用者様の平均介護度も高く、認知症の方もいますが、自然に談話室に集まり世間話に花が咲きます。昼食・夕食は自社社員が台所で調理するなど家庭的な雰囲気を大切にしています。
 それに対して、新築した「粋の杜」は、平均要介護度は2以下と低く、「皆でレクリエーションをするよりは、自室で自分の趣味などを楽しみたい」という方が多くなっています。そうした考えを尊重して、ホームとして決まった日時にレクをすることはありませんし、臨時でする場合も、参加するかどうかはそれぞれの自由な判断に任せています。
 建物や敷地内に介護サービス事業所はありませんが、車で15分程度の場所に当社運営の訪問介護事業所・居宅介護支援事業所・認知症対応デイサービスがあります。外部のデイに通う方も少なくありません。

運営する上で心がけている点は何でしょうか。

スタッフには「私たちが皆さんの家にお邪魔している」という意識を常に持つように求めています。ともすると「ご利用者様が私たちのお世話になっている」という感覚になってしまいます。そうした意識は「自分たちの都合にご利用者様を合わせようとする」という行動につながってしまいます。忙しいときに頼みごとをされると「ちょっと待ってて」と対応してしまうことなどがそれです。「常に主語はご利用者様」を意識してもらいたいと考えています。
 また、こうした意識はスタッフ間同士でも大切にしてもらいたいと思います。現場では「Aさんが○○をしてくれない」など、ほかのスタッフに対する不平不満の言葉が飛び交うことが少なくありません。しかし、Aさんがそれをしないのは「できない事情や理由」があるのかもしれません。自分の価値観や判断基準で「してくれない」と批判するのではなく、相手の立場や事情をまず考えることが大切です。私たちが「普通」「当たり前」と思っていることは、実は自分のこだわりに過ぎなかったということもあるのではないでしょうか。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

有限会社ViVifala

http://www.vivifala-yukako.co.jp

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