介護キーマンインタビュー

有限会社ViVifala
代表取締役
島由佳子 さん

「1人ひとりに寄り添う」在宅ケアの考えを住宅でも小規模コミュニティでご利用者様の個性を・想いを尊重。

島由佳子さん

ご自身の経歴や会社の概要を教えて下さい。

以前は会社員をしていました。当時の勤務先が新規事業で手がけていた訪問介護を任されていました。勤務先のバックアップもあって2005年に和歌山市内で訪問介護事業を始めました。
現在は、訪問介護のほか、居宅介護支援、認知症対応型デイサービス、2棟の住宅型有料老人ホームを運営しています。展開する地域を絞ることで、それぞれの事業所が密に連携できるようにしています。また、障がい者福祉事業も手がけています。2023年2月には2棟目となる障がい者グループホームの開設を予定しています。

介護に対する考え方や理念を教えて下さい。

もともと在宅介護事業からスタートしたこともあり、スタッフがご利用者様と1対1で向きあえる在宅介護がサービスの理想形と考えてきました。高齢者住宅は2棟運営していますが、同じ敷地内にあり、2棟合わせても定員21人という非常に小さなコミュニティにしています。これにより、施設・居住系サービスの弱点である「ご利用者1人ひとりにあわせた柔軟なケアができない」という点をカバーしています。
会社の合言葉を「笑って咲く花になる」としています。ご利用者様、スタッフ誰もが全員心の中に一輪の花を持ちます。それを咲かせ続けられるように、1人ひとりの個性や想いなどを大切にしたケアを提供するように心がけています。

人材採用・教育の面で重視していることは何でしょうか。

求める人材像は、サービス業の基本である「笑顔で挨拶」が徹底できるということです。それも表面だけの笑顔だけではなく、心の中からの笑顔が出せる人です。
また「他人を不快にさせない言動ができる」ことです。例えばスタッフの中にはプライベートで親しくしている間柄の人もいると思います。休憩室にいるときなどはスタッフ同士でフランクな言葉遣いで会話をしていても、ご利用者様やご家族、出入りの業者など第三者の目がある前では敬語で会話するなど、オンとオフの切り替えがしっかりできることも大切です。
こうした意識をしっかり持っている人材は、介護に関する知識や技術も働いているうちに自然に会得し、成長が早い傾向があると実感しています。

今後力を入れていきたいことがあれば教えて下さい。

私自身は、介護はクリエイティブで専門性の高い仕事だと考えていますが、当の介護スタッフの自己肯定感が高くなく、仕事に誇りを持ちにくいことが課題だと感じています。介護のエビデンスなど、仕事の成果を共有・分析できる機会が少なく、自分たちの能力や知識を客観視できないことが原因の一つにあると思います。コロナ禍であることや当社の事業規模を考えると難しい面もありますが、スタッフが外部で学ぶ機会などをもっともっと設けていきたいと考えています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

有限会社ViVifala

http://www.vivifala-yukako.co.jp

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