介護キーマンインタビュー

タクトケアサプライ株式会社
代表取締役
平野浩希 さん

音楽の魅力を前面に出したホーム目指す。音楽療法士によるセッションなど計画。

平野浩希さん

会社やご自身の経歴を教えて下さい。

以前は介護とは無関係の業界で営業の仕事をしていましたが、福祉の仕事をしている人と知り合い「もっと人の役に立つ仕事をしたい」と思いました。そこで、福祉用具専門相談員として2年間介護を学び、2019年に起業しました。訪問介護、居宅介護支援、福祉用具のほか、障害者事業も行っています。2022年10月に初の高齢者住宅として「ベルフラット枚方」を開設したばかりです。

介護に対する会社の考え方は。

私は25歳までに7回転職を経験しました。人間関係や待遇など、全て「相手に非がある」と理由付けをして、その場から逃げてきました。このように、自分自身が人生に躓き、回り道をした経験もあることから「同じような人たちをサポートしたい」という思いが強くあります。今は介護サービスを手がけていますが「お世話をする」のではなく「ご利用者様が望む人生を送れるようにサポートをする」という点に軸足を置いています。今はまだ無理ですが、例えば、「働きたい」というご利用者様がいれば、住みながら働ける高齢者住宅をつくるなど、介護保険にこだわらない形のサービス展開を考えています。

現在運営する高齢者住宅の特徴などを教えて下さい。

開設間もないこともあり、できていない部分も多いのですが、私自身がホルンを、施設長がピアノを演奏することから、音楽をテーマにしていきます。今でも皆で歌う「音楽の日」を週に1回設けています。また、今後は自前で音楽療法士を抱え、認知症ケアや介護予防などに役立つプログラムを提供したいと考えています。このように音楽を前面に出すことで「それほど介護に興味はないが、音楽に関わりたい」という人の就労にもつながると思います。音楽の道を目指しながら、それだけでは食べていけない人は大勢います。そうした人たちの生活支援や活動提供の場にできれば、と考えています。

人材採用や育成などの面で力を入れていることは。

先ほども申し上げたように、私は「介護サービス」にはあまりこだわっていません。スタッフ採用についても、介護の技術やスキルよりも「夢」や「なりたい自分」を持っているかどうかを重要視しています。現在働くスタッフも6~7割は全くの介護業界未経験です。
会社として、スタッフが持つ夢や目標をサポートするために様々な場を用意していきます。例えば、理学療法士の資格を持つスタッフは「うつ病予防で社会貢献したい」という夢があります。そこで来期から音楽療法と理学療法のメソッドを組み合わせた「うつ病予防アプリ」の制作に着手します。また「5年後の独立」を目標としているスタッフもいます。こちらについては、来期に介護現場のレクリエーションに関するポータルサイトを立ち上げる計画です。その企画や運営などを通じて、独立に必要な知識やスキルを学んでいって欲しいと思います。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

タクトケアサプライ株式会社

https://taktcaresupply.com/

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