介護キーマンインタビュー

株式会社やさしい手
取締役 副社長執行役員
藤宮貫太 さん

「高齢者住宅はご利用者様の自宅」の考え徹底。コロナ続く今でも、面会や外出は自由に。

藤宮貫太さん

会社の概要やご自身の経歴を教えてください。

会社の設立は1993年です。当初は訪問介護などの在宅サービスが中心でしたが、今は高齢者住宅の運営にも力を入れています。「やさしえ」のブランドで、サービス付き高齢者向け住宅を中心に全国で52棟を運営しています。
 私は元々システムエンジニアで、やさしい手が使用するシステムの開発に携わっていました。20年前にやさしい手に入社し、ここ5年程はサ高住の新規開設やM&Aなどの経営企画に携わってきました。

御社の高齢者住宅の特徴はなんでしょうか。

元々が在宅サービスの会社ということもあり、「高齢者住宅はご利用者様の自宅。そこに我々がうかがってサービスを提供する」という考え方を徹底している点です。例えば食事ですが、スタッフがご利用者様の部屋にうかがって「用意ができました」と声をかけることや、食堂に行くご利用者様をサポートすることはありますが、食堂に「連れていく」ことはしません。このように、ご利用者様1人ひとりの生活スタイル、ペース、その日の気分にあった暮らしを提供することを最優先に考えます。また、そのために介護保険外サービスも積極的に提供しています。
もちろん、自宅ですから、外出をするのも、外から人が訪ねて来るのも自由です。外出は行先をスタッフに伝えてもらえれば大丈夫です。さすがに新型コロナの感染状況が深刻なときは、どちらも一部制限をしましたが、コロナが第五類になってからは、ほぼ従来通りに戻しました。面会は、マスクをしていれば、時間、人数、場所などに制限はありません。

人材教育の面で力を入れていることはなんでしょうか。

近年、大規模なM&Aを経験していることもあり、介護に対する考えなどをいち早く全スタッフに浸透させ、しっかりとした下地を作ることに力を入れています。高齢者住宅のスタッフは現場を離れるのが難しいこともありますので、Zoomなどを使ったオンラインの職種別研修を積極的に行っています。新型コロナの状況が多少落ち着き、スタッフの業務にも余裕ができましたので、今後は月1回など実施ペースをあげていきます。

今後の展開を教えてください。

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)を併設したサ高住の開設に力を入れており、現在4棟を運営しています。看多機を利用しながら自宅での生活を続け、その後は希望すれば、同じスタッフがサービスを提供するサ高住に移れるという選択肢が高齢者に生まれます。2023年に大分市内で50室の看多機併設サ高住を開設しましたが、ご利用者様の約半分が看多機の利用から入居に至っています。看多機の看護師が訪問看護をしてくれますし、介護スタッフは喀痰吸引ができますので、医療依存度の高い方でも安心ですし、ホスピス的な形で利用することもできます。
 今後も、このような形式でのサ高住の開設を積極的に進めたいと考えています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社やさしい手

https://www.yasashiite.com/

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