介護キーマンインタビュー
一般社団法人LYKKE
代表理事
梶原崇志 さん
「ご利用者様を管理しない」がモットー。外出や飲酒、間食も制限無し。

法人の概要とご自身の経歴を教えて下さい。
「LYKKEみいけ」の運営を目的に2022年に設立しました。私は2023年9月まで医療コンサルティング会社に勤務していました。また、両親が15年前より重度専門の訪問看護事業所を運営しており、そこの取締役となるなど、医療・介護については早くから関わってきました。
「LYKKEみいけ」について教えて下さい。
類型としては住宅型有料老人ホームになりますが、私たちは「高齢者シェアハウス」と呼んでいます。居室数は30で、訪問介護事業所とデイサービスを併設しています。
パーキンソン病やALS、末期がんなど医療対応が必要な方に特化しているのが特徴です。
「高齢者シェアハウス」と呼ぶ理由は。
「老人ホーム」ですと、どうしても私たちがご利用者様をお世話・管理するというイメージになってしまいます。「LYKKEみいけ」では、ご利用者様一人ひとりの意思や自主性を重んじて、好きなように暮らしてもらっています。そうしたスタイルを最も端的に表しているのが「シェアハウス」だと考えます。
具体的に、どのような生活を送っているのでしょうか。
例えば、建物の入口は朝6時から21時まで解放しており、ご利用者様は戻ってくる時間の目安さえ伝えてくれれば、自由に外出できます。行先を伝える必要はありません。また外部からの出入りも自由で、学校が休みの日などは近所の子どもたちが普通に遊びに訪れます。子どもたちの声が聞こえてくると、普段ならば自室から出るのが難しいご利用者様も外に出ようとするためADLの維持改善にもつながります。
また、自室内での紙巻タバコだけは禁止していますが、それ以外であれば喫煙、飲酒、間食も自由です。スタッフの方から「もうこれ以上は駄目です」とストップをかけることはありません。ご利用者様自身の判断に任せた方が「今日はこのぐらいにしておこうか」と適量で切り上げます。
人材の育成・教育の面で力を入れていることは何でしょうか。
当然ですが、こうした考え方をしっかり理解してもらうことです。しかし、入職後に研修などでその人の意識や考え方を根底から変えるというのは非常に困難です。そこで求人をかける際に「入居者を管理したい人や、リスクがあると思考が止まる人は合わない職場なので、応募をしないで下さい」と明記しています。一見、門戸を狭めるように見えますが、ターゲットを明確に絞った方が入職後のミスマッチを防げますし「こうした考えの介護事業所で働きたかった」と応募をしてくる人もいます。結果としてスタッフ確保には苦労していません。
今後の目標を教えて下さい。
住宅は「LYKKEみいけ」以外の展開は考えていません。今後は、予想されるご利用者様の重度化への対応力の強化と、訪問看護事業などを通じての地域の高齢者に向けたサービスの強化を進めていきます。
貴重なお話、ありがとうございました。
関連施設
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- 入居時費用
- 10万円
- 月額利用料
- 14.7万円~
交通 泉北高速鉄道栂・美木多駅よりバス9分、御池台センター(バス停)下車後、徒歩4分 220m 居住面積 14.9~21㎡ 要支援
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要介護
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