介護キーマンインタビュー

株式会社MSC
ささゆりの宿り施設長
小浦孝則さん

24時間看護師常駐でも月20万円～の手頃な価格。施設内厨房で手作りの食事も好評。

会社の概要と、ご自身の経歴を教えて下さい。

会社は2015年に訪問看護事業所のレセプト代行を目的に設立されました。2017年に自社で訪問看護ステーションの運営を開始しています。高齢者住宅は2019年6月に箕面市で住宅型有料老人ホーム「ささゆりの宿り」を開設し、現在はそれに加えて豊中市、神戸市、尼崎市でサービス付き高齢者向け住宅を運営しています。このほか、調剤薬局事業、介護人材サービス事業などを展開しています。
私は、以前は介護・福祉とは無関係の仕事をしていたのですが、50歳を機に「もっと社会貢献につながる仕事をしたい」と思い、2021年7月に入社しました。その年の11月に「ささゆりの宿り」の施設長に就任しています。

運営する高齢者住宅の特徴は何でしょうか。

自社運営の訪問看護事業所と密に連携をしています。特に「ささゆりの宿り」は、24時間看護師が常駐しています。どこのホームでも医療的なケアが必要としている方、ターミナル期の方など多くの方を受け入れ可能です。精神疾患の方も入居しています。
　一方で、入居価格は手頃に設定しており、生活保護を受けている方も入居できます。

入居者の日頃の生活はどのような感じでしょうか。

医療的ケアが必要だから重度要介護というわけではありません。ご利用者様の平均要介護度は3.3～3.4程度とそれほど高くなく、ケアプランに組みこまれた買い物同行を利用して近所のスーパーマーケットに買い物に行くなど、アクティブに生活されています。全てのホームで実施してはいませんが、2年程前からコンビニエンスストアの出張販売も来るようになり、皆さんとても楽しみにしています。

ご自身が施設長を勤める「ささゆりの宿り」の特徴を教えて下さい。

定員は45名。前述したように自社の看護師が24時間、日中は2名常駐しており、医療的な対応が必要な方でも安心して生活できます。もちろん看取りが必要な場合にもしっかり対応します。
食事は外部委託ですが建物内のキッチンで一から調理しており、一人ひとりの好みに合わせた出来立てを提供できます。お食事のイベントなども好評です。
　他社運営の周辺の住宅型有老やサ高住の入居費用は、介護保険サービスの自己負担額込みで月に22万円から25万円程度が相場ですが、「ささゆりの宿り」では月に20万円から入居が可能です。見学された方やケアマネジャーなどからは「高いサービス品質の割に手頃な価格」という評価をいただいています。

ハード面では何か特徴はありますか。

ナースコールと居室のカメラを連動させ、コールが鳴ると自動的に室内の様子がスタッフに届くシステムを導入しています。緊急を要する事態なのかどうかをスタッフが即座に把握できるため、特に夜間帯に効率の良い対応ができるようになっております。スタッフの労務負担も軽減されるため、離職率の低減などの効果も期待できると思います。
　また、ホームの立地も見学時に評価をしていただけるポイントのひとつです。「彩都」の閑静な住宅地の中でも奥に位置しており、背後は元大阪大学箕面キャンパスの緑が広がっています。喧噪とは無縁の非常に落ち着いた環境です。

スタッフ教育の面で力を入れていることは何でしょうか。

「家庭的な雰囲気」を大切にするように心がけてもらっています。ご利用者様に対しては例を失しない程度であればフランクな言葉遣いを認めており、自宅にいるような安らぎを感じてもらえるようにしています。
　また、これは今後力を入れていきたいことですが、介護保険外でご利用者様の個別の希望に対応をするサービスを開始したいと思います。そのためには、ご利用者様一人ひとりに「〇〇をしたい」という希望をしっかりと口にしていただくこと、スタッフが日常会話などの中から希望をヒアリングできる関係性をご利用者様と築けていることが重要です。それに向けてよりホスピタリティを高め、ご利用者様に「このスタッフならば安心」と思っていただけるよう努めていきます。

貴重なお話、ありがとうございました。