介護キーマンインタビュー
社会福祉法人京都社会事業財団
ライフ・イン京都 入居推進部部長代行
佐藤朱美 さん
開設以来38年間入居する人も。多彩なレクやサークル活動で今でも健康を維持。
経歴を教えて下さい。
特別養護老人ホームの事務職などを経て2007年に入職しました。以前は新規入居と入居されている方への各種対応業務を兼務していましたが、5年前から入居推進専従の責任者を担っています。
「ライフ・イン京都」の概要を教えて下さい。
今年で開設38年になる介護付有料老人ホームです。65歳以上の自立生活が可能な方を対象にした226室の「本館」と、要介護の方が対象の「こすもす」「ひまわり」の2棟のケアセンターからなっています。ケアセンターの居室数は合計82室で、本館から住み替えた方と直接入居された方が半々です。
本館での皆さんの暮らしぶりはどのような感じですか。
ホームから出勤したり、ご夫婦で海外旅行を楽しまれたりと普通のご自宅と変わらない暮らしをされています。こうした自由な生活を楽しめるよう、生活にはほとんど制限はかけていません。コロナの時期は、「外出先を伝えてもらう」「長時間の外出は避けてもらう」などのお願いはしましたが、現在では、マスク着用、入出館時に体温計測と手指消毒をするというルールさえ守っていただければ、外出も外部からの訪問も全く自由です。
レクリエーションなども制限なしですか。
2023年5月以降徐々に通常の状態に戻しました。2024年3月末には、弦楽四重奏の生演奏とお酒を楽しむコンサートも開催しました。コロナ前までは年に2回の恒例行事だった日帰りバス旅行も今年秋より復活予定です。
また、こうしたホーム側で企画・運営するイベントのほかに、入居されている方が自主的に作った趣味のサークル活動も盛んです。植物観察をしながら野山を散策するなどアクティブな内容のサークルもあります。
ただし、サークルの中にはコロナで活動を自粛している間にメンバーの身体状況の変化などが原因で自然消滅に近い状態のところもあります。そのようなときには職員から共通の趣味を持つ方に呼びかけるなどして再結成をサポートするようにしています。コーラスサークルなどが近々新たに結成される見込みです。
そうした元気な生活を維持・継続できるためにホーム側でなにか取り組んでいることはありますか。
2024年から理学療法士を1名増員して2名体制にしました。アスレチックルームに常駐して効果的なトレーニングの指導を行っています。また、2001年から京都大学と共同で進めているライフ・イン京都健康長寿計画も介護予防に一役買っています。しかし、それよりも入居されている方お一人おひとりの意識が非常に高いと思います。ホームへ坂道を歩いて上るのは結構大変なこともあり、阪急桂駅との間にシャトルバスを運行しているのですが、それを利用せずに歩いて帰ってこられる方もいらっしゃいますし、東海自然歩道を歩いて嵐山まで散歩に行かれる方もあります。そうした自然に坂道を歩く生活環境であることも運動機能の維持につながっているでしょう。ちなみに開館以来38年間入居されている方で館内はご自身の足で移動しておられる方もいらっしゃいます。
貴重なお話、ありがとうございました。
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