介護キーマンインタビュー

株式会社シニアスタイル
施設事業統括本部長
池野直美 さん

看取りに注力 年間15件 家族からの紹介で新規入居も

池野直美さん

経歴について教えて下さい。

デイサービスなどで勤務したのち、介護人材養成施設で講師を経験しました。ここに在籍しているときにケアマネジャーの資格をとったのですが、ケアマネジャーとして活動していくには実務を学んだ方がいいと考え、5年前にシニアスタイルにケアマネジャーとして入社しました。入社後は「シニアスタイル尼崎」「シニアスタイル武庫之荘」のホーム長も経験しました。

ホームの特徴や強みはなんでしょうか。

例えば、「シニアスタイル武庫之荘」は医療的ケアに力を入れていることもあり、ご利用者様の平均要介護度は3.2と、サービス付き高齢者向け住宅にしては高くなっており、看取りを行うケースも多くあります。居室数は60ですが、年間15件の看取りを行っています。ご本人やご家族の希望があれば別ですが、基本的に病院には送らずに居室の中で最期を迎えられるようにしています。

そのためにホームで取り組んでいることは何でしょうか。

介護スタッフ、看護師、医師及びご家族のカンファレンスを頻繁に行い、看取りに関する意思や方法の統一を行っています。看取りに関しては「ご本人の意思が最も重要」と厚生労働省などは言っていますが、これまでの経験からすると、ご本人は自分が亡くなることを現実としてとらえておらず、終末期の過ごし方などについて明確な意思を持っている人は少ないと思います。また、最近話題の「自然死」「平穏死」などといった言葉に関しても、関心が高いのはむしろご家族です。このためカンファレンスに際しては、ご家族の意思や希望をいかにしっかりと伺い、実践するかを心がけています。

こうした看取りを実践することで、ご家族から新たなご利用者様を紹介していただくこともあり、入居率の向上にも役立っています。

こうした看取りなどのサービスを行う上で心がけていることは。

「適材適所」です。看取りに関しては、死期が近いことをご家族にどう伝えるか、多職種間での連携をどう図っていくか、など個人の能力やセンスが重要になります。そうしたスキルに長けた人材が対応するべきです。見学対応も同様で、どのような質問にも答えられるスタッフが専属で対応するべきです。現在、見学対応は私だけで行っていますが将来他のスタッフが対応するにしても、見学対応専門のチームとしていく考えです。

スタッフが働きやすい環境実現のために取組んでいることはありますか。

会社全体として、ここ2~3年介護記録のIT化などを進めています。他社に比べるともともと記録業務自体は多くはなかったのですが、これにより残業時間は月に10時間程度に、サービス残業はゼロになっていいます。また定年を70歳にし、最長で75歳まで延長できるようにしました。さらに40歳以上の社員については、がん検診のついた人間ドッグの受診費用を会社負担にするなどしています。こうした取り組みが功を奏し、2019年の上期の離職者は数名にとどまっています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社シニアスタイル

https://senior-style.co.jp/

介護キーマンインタビューTOP

関連施設