介護キーマンインタビュー
るけな株式会社
ルフォール寿 ホーム長
高田美季 さん
「愛情表現」が会話の基本部下に対しても命令口調厳禁
現在の仕事について教えて下さい。
今年9月にオープンした、障害者グループホーム「ルフォール寿」のホーム長と人材教育に関するマネージャーをしています。それまでは、住宅型有料老人ホーム「ルフォール東淀川」のホーム長をしていました。
るけなに入社した経緯と入社後の経歴は。
浪瀬社長とはもともと知り合いで3年前に事務のパート社員として入社しました。当初は他の会社との兼業の形でしたが、半年後に当社1本に絞るのに際して、浪瀬社長が取締役を務める別の会社のホームで2カ月間介護の現場に入って学びました。入社する以前、10年前に1年間だけ病院で介護ヘルパーの経験がありましたが、そこはスタッフの怒鳴り声が飛び交うような職場でした。それに対し、ここはスタッフ同士、スタッフとご利用者様の関係が良好で、雰囲気のいいホームでしたので、浪瀬社長のホームでもっと運営に携わりたいと考えました。そこで「東淀川」の新設に際してホーム長に立候補しました。
介護の現場をほとんど知らなかったため、スタッフの中には「ホーム長をして大丈夫だろうか」と不安視する声もありました。そこで現場を徹底的に知るため、ほぼ1年間ホームに寝泊まりをしました。
スタッフに対しては、どのように接していますか。
弊社では「プロとしての介護」「サービス業としての介護」を追及しており、言葉遣いに気を付けています。その会社の方針をいかに落とし込むか、を徹底しています。例えば、社内では上司が部下に仕事を指示する場合でも、「やって」は禁句で、必ず「お願いします」と言うようにしています。これ以外にも社内での会話には誰に対しても「愛情表現」を意識した言葉遣いを心がけています。この点は、私が介護業界での勤務経験がほぼゼロであり、「介護だから・・・」という先入観や常識にとらわれなかったことですんなりと実行できました。
利用者の方に対して心がけていることは。
「楽しんでもらうこと」しか考えていません。ご利用者様が、他のご利用者様やスタッフに対して暴言を吐く、暴力をふるうなどの行為をするのはストレスが原因です。ご利用者一人ひとりにしっかり向き合い、ストレスを解消させてあげることで、こうした行為はなくなり、ホーム内の雰囲気や人間関係もよくなります。
具体的にどのようなことを行っていますか。
例えば、他のご利用者様に迷惑な行為をした人には、陰でこっそりとその人の好きなお菓子を与え、ストレスを解消するなどします。ただし、その前に当人に対して「向こうの部屋でお仕置きをします」と迷惑行為を受けた方にも聞こえるように言います。「迷惑行為はしっかりと注意したり叱ったりする」という態度を見せないと、迷惑行為を受けた方のホームへの不満につながるからです。こちらが相手に対して優しく接すれば、相手も優しく接してくれます。これは人間関係についての全ての基本だと考えています。
貴重なお話、ありがとうございました。
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