介護キーマンインタビュー
るけな株式会社
代表取締役
浪瀬裕子 さん
「プロが提供する介護」にこだわり身だしなみ等スタッフ教育徹底
会社について教えて下さい。
もともと有料老人ホーム運営会社で働いていました。その中で「自分のやりたい介護を追及したい」という思いが強くなり、2014年に創業し、翌年に居宅介護支援事業所を開設しました。
高齢者住宅はどのようなものを運営していますか。
浪瀬 「ルフォール」のブランドで展開しています。2017年9月に他社から運営を引き継いだ高齢者マンションの「ルフォール花園」、同年12月開設の住宅型有料老人ホーム「ルフォール東淀川」を大阪市内で運営しています。2019年9月には、東大阪市に障害者グループホーム「ルフォール寿」を開設し、障害者支援事業に参入しました。
経営の上で意識していることは何でしょうか。
「土台をしっかり作る」です。例えば「ルフォール寿」ですが、新設ですのでしばらくは単体では赤字になります。その赤字は既存事業の純利で賄えるようになっています。経営者が資金繰りであくせくしていては、サービスの品質など介護事業に必要な部分に目が行き届きません。
ケアの面でこだわっていることは何でしょうか。
スタッフが「サービス業のプロとしての意識」を持つことです。介護事業所の中には「家族的な介護」を打ち出すところもあります。確かに、家庭的な安らぎを与えることも大切です。しかし、家族的な介護であれば家族が行えます。私たちはお金をいただいているプロであるということにこだわっています。
具体的にどのような点でしょうか。
例えば、家の中で家族としか顔を合わせなければ、メイクをしない女性も多いでしょう。しかし、接客業やサービス業の女性で、働いているときにメイクをしない人はいません。女性介護スタッフの中には「顔を合わすのは、同じ会社の人とご利用者様だけだから」「入浴介助で落ちてしまうから」とメイクをしない人もいます。「家族的」という言葉は、こうした言い訳を生み出す土壌にもなります。当社では、接客業のプロとして薄くてもいいのでメイクをするように、身だしなみを整えるように、と話しています。
言葉遣いもそうです。家庭内であれば、感情のままに大声を出したり、乱暴な物言いをしたりしてしまうこともあります。しかし、プロの接客業は、お客様の前では決してそのようなことはしません。
メイクにしても、言葉遣いにしても「他人から見られている」という意識を持つことが大事です。その意識があれば、サービスやケアの質も自然に高まります。
求める人材はどのような人ですか。
「自分の家族を大事にできる人」です。中には家族との関係が良好でない人もいるでしょうが、そうしたときに「相手にも何か理由や事情があるに違いない」と考えられれば、その関係を引きずることなく、受入れることができます。どのような人間関係であってもそれを否定的に捉えず、受入れることができれば、ご利用者様にも分け隔てなく接することができます。「嫌だ、苦手だ」という気持ちは態度にでます。それはサービス業のプロとしては好ましいものではありません。
貴重なお話、ありがとうございました。
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