介護キーマンインタビュー

株式会社アイネットケアサービス
アーバニティ若水 施設長
高橋辰美 さん

食事委託先を切り替え「見ても楽しい」でクレーム大幅減

高橋辰美さん

経歴について教えて下さい

関西で多数の高齢者住宅を運営する事業者より転職し、4年前にアーバニティ若水の施設長に就任しました。

就任してから新たに取組んだことは何でしょうか。

もともと当ホームは理学療法士が4名おり、訪問リハビリテーションを提供するなど、リハビリに力を入れていました。私が就任後、社長の英断もあり4階の談話スペースをリハビリルームに改修し、よりリハビリに取り組みやすい環境を整えました。ご入居者様の中には、リハビリにより歩けるようになり、ホームからご自宅に戻られた方もいます。こうしたケースが口コミなどで広がれば新規入居にもつながると思っています。
 また、こうした「元ご入居者」の方であれば、将来再び高齢者住宅に入居が必要になった時に、当ホームを選んでいただける可能性が高いでしょうし、ホームとしても受け入れやすいというメリットがあります。

ほかに取り組んだことはありますか。

1年半前に食事の委託先を切り替えました。新しい委託先は、神戸市でフレンチレストランの経営や、ホテルの厨房の受託、産婦人科の食事提供をされている会社です。味はもとより美しい盛り付けなど「見て楽しい」食事を提供できます。当ホームでは、椅子などの調度品はほぼ特注であるなど本物志向にこだわっており、食器も陶器を使用しています。そうした食器に見合った料理を提供できることにこだわりました。
月額の食費は、比較的安い方になると思いますが、できるだけ食材や調理の工夫を親身になって対応いただけるので、食事に関するクレームは本当に少なくなりました。また、他の高齢者住宅に入居していた方が「食事がまずいから」と当ホームに移って来るというケースもあり、食事の大切さを実感しています。

スタッフ育成などの点では。

当社では「サービス業の思考」をスタッフに求めてきました。私が就任した4年前は、その意識はまだまだ希薄でしたが、2年後ぐらいからだいぶ浸透してきたように感じます。しかし、「サービス」は自分たちが満足してはレベルが向上しませんので、今の状況に満足せず、引き続き意識付けを行っていきます。
 その一方で、スタッフの努力にはきっちり報いようと取組んでいます。2年前より冬の賞与には基本額に加え業績に連動した額を支給するようにしました。業績について細かく個々のスタッフに開示はしませんが「利益がでれば自分にも還元される」ということが分かれば、自分が何をなすべきかを考えてくれるようになると思います。

今後、新たに取組んでいきたいことはありますか。

日々の業務がマンネリになると、どうしても「作業」になり、サービス業としての意識が薄くなります。しかし当社の様に1施設しか運営していないと、手がける業務にも限りがあります。今、考えているのが、近隣の他社の介護事業所とレンタル移籍のような形でスタッフを相互派遣できないか、ということです。他社の仕事を経験すれば大きな刺激になり、新たな気づきも生まれると思いますし、人材育成の一助になるのではと考えています。まだ具体的に動いていませんが、今後、何かできればと考えています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社アイネットケアサービス

https://www.wakamizu-kaigo.com/

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