介護キーマンインタビュー

株式会社ネオリンクス
代表取締役
中野健一郎 さん

利用者の要望に「NO」は禁物外出支援など保険外に注力

中野健一郎さん

会社や運営する高齢者住宅について教えて下さい

他の会社が運営する高齢者住宅の運営を承継することを目的に2013年に設立しました。現在、サービス付き高齢者向け住宅の「ひばり荘」「ひばり荘絆館」「ひばり荘栞の家」と、住宅型有料老人ホーム「ひばり荘つむぎの里」を運営しています。事業エリアは東大阪市の北部・西部に特化しています。

ケアに対する考え方を教えて下さい。

介護事業者は、ご利用者様に介護が必要になってから関わります。しかしその方の人生においては、介護が必要となったあとの時間よりも、必要としなかった時間の方がずっと長いのが普通です。そして、その方の考え方、好み、趣味などは介護を必要としなかった時期に決まります。私たちに必要なのは、その方の介護以前の人生にしっかりと寄り添い、経歴や趣味嗜好などを理解し、望むことは可能な限り叶える努力です。そのためには介護保険の枠組みにとらわれず、何でも行うべき、と考えています。当社では3〜4年ほど前より「幸せ人生創造業」をモットーに掲げ、こうした考え方を社内全体に浸透させるようにしています。

具体的にどのようなことを行っていますか。

多いのは個人的な外出の要望を叶えることです。「○○で食事をしたい」などの要望にスタッフが付き添います。「この人を外出させていいか」を判断するのは介護事業者ではありません。ご本人とご家族が判断して、外出したい、させたいと希望すればそれを叶えます。当社では介護タクシー事業も行っていますので、大概の場所には連れていけます

こうしたサービスに対する社員の意識はどうでしょうか。

幹部クラスへはだいぶ浸透しましたが、現場スタッフまではまだまだ、というところです。例えば先ほどの外出にしても「ご利用者様はお金がないので無理です」などという反対の声があがることがあります。しかし我々でもそうですが、何かやりたいことや買いたいものがあれば、それに向けて貯金をします。同様にご利用者様も何か目標があれば、それに向けて貯金をしようと思うでしょう。お金がないのは、私たちなど周囲がそうした目標を考える機会や余地を与えてこなかっただけです。

そうしたサービスを提供するために、どのような人材を求めますか。

保険外のサービスでいかに人生を楽しんでもらうか、を重視していますので「介護のことだけ考えていればいい」という人ではなく「介護プラスアルファ」の思考を持っている人が望ましいです。できればサービス業など他産業の経験があったりすると望ましいです。
また「ご利用者様を楽しませる」というと、本人がエンターテイナーとして何らかの一芸を持っていることが望ましい、と考える人がいますが、その必要はありません。例えばレクリエーションもスタッフ本人がやる必要はありません。必要なのは、良質なエンターテイナーを見つけ、ホームでその人にレクリエーションを行ってもらうように、企画し実行する能力です。外部のプロに行ってもらった方が、結果的にレクリエーションの質も向上します。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社ネオリンクス

http://www.neolinks.co.jp/

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