介護キーマンインタビュー
株式会社セーフセクション
musubiホーム長
永井敏之 さん
自立支援につながる自分らしい暮らしのケアの実践

経歴について教えて下さい。
特養で6年間勤務したのち、2010年に設立間もないセーフセクションにケアマネジャーとして入社しました。5年前に「musubiまちの家」のホーム長に就任、1年前にエリアマネジャーとなりました。19年10月より「musubi」のホーム長も兼務しています。
ホームの特徴はなんでしょうか。
「その人らしい暮らしの継続」に力を入れています。「どのような生活を送りたいのか」を細かくヒアリングし、それに向けてホームとしてできることに全力で取り組みます。ケアは「自分でできることは自分でしてもらう」を念頭に置き、自立支援につながるようにしています。例えば、食事の配膳・下膳は自分でできる人は自分でしますし、フロア間の移動も可能であればスタッフが付き添うことなく、また階段を使える方には使ってもらっています。
外出も可能であればお一人で行ってもらっています。あるご利用者様は認知症ですが毎日自転車で10分ほどの場所にあるイオンに行っています。その方はホームに入る前はイオンのフードコートでお知り合いとコーヒーを飲みながらおしゃべりすることを日課にしていました。入居後も、それを続けてもらうことが「その人にあった生活」だからです。
一人での外出などは事故が発生する可能性もありますから、家族にきちんと説明することが求められますね。
ご家族には、ホームの考え方に加え「ホームでできること、できないこと」をしっかり伝えるようにしています。できないことを「できる」と伝えてしまうと、結果的にミスマッチを生みます。「毎日リハビリテーションを行ってほしい」など、ご家族の要望とホームでできることの間に乖離がある場合には、他のホームに入ることをお勧めすることもあります。
スタッフへの接し方などで心がけていることは。
「まず話を聞き、否定をしない」ということです。例えば、スタッフはときにご入居者様やご家族からお叱りや厳しい言葉を受けることもあります。そのときに上司も一方的に叱ってしまったら、心理的に大きく落ち込み、その後の仕事にも大きな影響がでてしまいます。しっかりと話を聞いて明らかなルール違反などがある時はスタッフのこれからの事を考えて注意をしますが、それ以外は「どこに問題があったのか」「どうすれば問題がなくなるのか」を自分で考えてもらうようにしています。
しっかりと話を聞き、「理解者である」という立場を示すことで、「話をしてもいいんだ、このチームなら大丈夫」と思えるよう、スタッフの心理的安全にもつながるようにと考え行動しています。また、こうした接し方は、スタッフに対してだけではなく、ご入居者様にも徹底しています。
今後、取り組んでいきたいことはありますか。
地域との繋がりを強めていきたいと思います。19年春から夏にかけては、ご入居者様と地域の方の合同カラオケ大会やクッキングイベントなどを月に1回程度のペースで開催してきました。こうしたイベントを継続するほか、ご入居者様が誰かの役に立てるような仕組みをつくっていきたいと考えています。
貴重なお話、ありがとうございました。
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