介護キーマンインタビュー

株式会社光研
プレジール豊中 施設長
山中健嗣 さん

スタッフに無理をさせない介護。職員満足度はサービス品質に直結。

山中健嗣さん

プロフィールを教えてください。

もともとは訪問歯科立上げ支援などを行う会社で働いていました。歯科より介護の方が業界として将来性があると考えて、2008年に光研に入社しました。「プレジール豊中」の開設当初より施設長を務めています。

サービス提供の面で心掛けていることは。

当社やホームには「理念」がありません。いくら立派な理念を掲げてもそれを遂行できなければ無意味だからです。また理念があると理念ばかりにとらわれ、その場で臨機応変に対応し、最善の方法をとることができなくなる可能性もあります。介護は対人サービスです、人には個性がありますからその接し方を理念やマニュアルで決めるのには限度があります。
 スタッフには、一流ホテルや高級デパートのような完璧な接客をすることは求めていません。ご利用者様に敬意を表し、尊厳が保たれるのであれば、多少フランクな言葉遣いであってもいいと思っています。一言一句使う言葉が決められているならば、それはロボットと同じではないでしょうか。私がスタッフに求めているのは「それを、もしご入居者様のご家族の前で行っても何の問題もない接遇であるかどうかをしっかり考える」という点だけです。こうした姿勢については、入居時にご家族にもしっかり説明しますので、特に問題になることもありません。

このような考えに至った背景はありますか。

私の介護現場での経験がほぼゼロという点でしょう。「介護とはこうあるべきだ」という先入観もなく、1人の消費者やビジネスマンとして、介護の問題点などを客観的・冷静にみることができた点が大きいと思います。
また、現場経験があると、どうしても「ご利用者様のためにどんなことでもするべき」という意識になりがちです。たしかにご利用者様は大事ですが、会社にとってはスタッフも同様に大事です。ご利用者様の要望に応えようとするあまりスタッフが疲弊してしまったら、結果的にご利用者様に質の高いサービスを提供できなくなります。私は、「スタッフが無理なく働ける範囲内でサービスを提供するべき」と考えており、それでサービス量が不足する分については、積極的に外部の力を活用しています。レクリエーションなどは外部のプロに任せた方が質も高くなります。「無理をさせない」という姿勢が効を奏し、スタッフの離職も病気などや無えない理由以外ではここ数年間ありません。

今後、改善していきたい点はありますか。

スタッフも充足し、空室もありませんので、まずは現在の運営状況を今後も維持していきたいと思います。今後取り組みたいこととしては、周辺住民の方へのサービス提供です。訪問介護事業所を併設していますので、そこのスタッフが保険外も含めた各種サービスをホーム近隣の方々に提供できるような仕組みを構築できたらと考えています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社光研

http://www.koken-plaisir.com/

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