介護キーマンインタビュー

株式会社光研
代表取締役
牧野輝久 さん

入居者間の平等を徹底。ビジネスとしてのサービス追及。

牧野輝久さん

会社やご自身の経歴について教えてください。

1990年に建築・不動産業として起業しました。今でいうバリアフリーリフォームを多く手がけており、その受注のきっかけになればと思い、98年に豊中市で福祉用具店を始めました。介護保険制度スタート同時に福祉用具レンタルとなり、その後訪問介護や居宅介護支援事業所を立上げました。高齢者住宅は、30室の住宅型有料老人ホーム「プレジール豊中」を2011年に開設しました。現在は、会社全体に占める介護事業の売り上げは6~7割程度になっています。

介護事業に対する考え方は。

「お客様から正当な金銭を頂戴し、それに対して適切なサービスを提供する」というビジネスとして当たり前の姿を徹底する、という点です。特に現場スタッフは「ご利用者様の要望は何でも対応しなくては」と考えがちですが、長期的に見た場合、その考えはメリットをもたらしません。
 例えば、ナースコールを頻回に利用するご利用者様がいたとします。それに全て無償で対応していたら、同じ費用を払って入居している方の間で受けているサービスの量に差が出てしまいます。そのナースコールも、大人しい性格や遠慮深い性格の方ですと「忙しいのにスタッフを呼び出すのは申し訳ないから」と鳴らさない人もいます。そうすると、結果的に主張や要求の強い方の声ばかりが通ることになります。そうした方は、次第にホームの中で「主」のような存在になり傍若無人に振る舞うなどして、新しく入って来た方が居心地の悪い思いをしたりします。ホームは共同生活の場です。その雰囲気や秩序を乱す人が出ないようにしています。

スタッフに対する考え方は。

当初から心がけているのが「私から直接現場スタッフに指示や命令を出さない、スタッフから直接に意見や要望を聞かない」という点です。スタッフが日々接するのは有料老人ホームであれば施設長です。スタッフが施設長に何でも話せること、施設長はスタッフ一人ひとりについてよく理解していることが信頼関係に繋がりますし、介護の現場は、施設長に対する信頼感なくしては成り立ちません。スタッフに関わる全ての情報は施設長に集まるようにしています。また、社長と直接やり取りできるスタッフがいますと、どうしても本人に「自分は何でも社長に話せる特別な存在だ」と意識が生まれてしまい、スタッフ間の和や秩序を乱す存在になりかねません。
 もちろん、施設長にはそれに見合った権限も与えています。具体的には、各スタッフの給与やボーナスの額も施設長が決めています。

今後の目標は。

当初、高齢者住宅は価格帯の異なるものを3棟運営し、あらゆる人たちを受入れる体制を整える計画でした。まだ1棟ですので、2棟目の運営を行いたいと考えています。豊中市内で土地を探している最中です。豊中市以外での事業展開は考えていません。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社光研

http://www.koken-plaisir.com/

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