介護キーマンインタビュー

社会福祉法人あかね
理事長
松本真希子 さん

「介護業界らしくない」を目指す。ケアマイスターなど独自制度も。

松本真希子さん

法人やご自身の経歴について教えて下さい。

私の父が1995年に設立しました。私は2002年に入社し、2018年4月に理事長に就任しました。現在、尼崎、姫路、猪名川の兵庫県内3エリアで高齢者介護事業および保育事業を展開しています。

法人の特徴は何でしょうか。

父も私も福祉・介護以外の業界を経験してきたこともあり「福祉という概念にとらわれない」「これまで福祉・介護業界になかったもの、あったらいいと思うものを積極的に導入し、発信する」ということに力を入れてきました。スタッフの自由な発想を重視しており「やるべきことがあるなら、周りの目は気にすることなくやる」がモットーです。

これまで、具体的にどのようなことを導入・発信してきましたか。

例えば「介護のスキルの見える化」です。介護業界では「勤務歴が長い人が評価される」という風潮がありました。そうではなく、介護士に求められる技能や知識の習得度合いに応じて正しく評価され、それに見合った給与が支払われるべきと考えていました。今でこそ国も「キャリアパス」を口にしていますが、当社では、それに先立つ2009年に介護士の評価システム「ケアマイスター制度」を立ち上げました。介護業界ではおそらく初の取り組みということで、メディアで取り上げていただく機会が増えました。

この取り組みの効果は。

「ケアマイスター制度があるから」という理由で、入社を希望する人が多くいます。特に、将来の自身の生活設計を立てやすいからと、30代~40代の男性が異業種から転職してくることが多いのが特徴です。現在、正社員の6割が男性です。これは介護業界では珍しいのではないでしょうか。

このほかに、法人の特徴は。

「介護はサービス業」と口にする介護事業経営者は多くいます。私もそれは同感です。しかし、その割には、他のサービス業では当たり前に行われていることが、介護業界ではほとんど導入されていません。例えば外食や小売のチェーン店では20代で店長となり、売上や利益の管理、人材マネジメントなどをこなすのが当たり前です。店舗のスタッフも売り上げは意識します。一方で介護の世界では、20代で現場トップになることは稀ですし、現場スタッフが売上や利益率を意識することはほとんどありません。それに対し当社では、入社当初から数字や経営を意識させるような教育を行っています。

そうしたことが苦手なスタッフもいるかと思いますが。

その通りです。ですから経営的なことを学び、社内での役職をあげていくことを希望するスタッフ以外には、先ほどご説明した、介護スキルを評価する「ケアマイスター」で上を目指す道を用意します。また、この2つとは別に、社内には接遇に関するスキルを評価する「サービスマイスター制度」もあります。スタッフには「3つのうちどれか一つでプロになって欲しい」と伝えています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

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https://e-akane.com/

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