介護キーマンインタビュー

有限会社野花ヘルスプロモート
代表取締役
冨田昌秀 さん

地域総がかりで高齢者を支援。多職種連携会議など自ら主催。

冨田昌秀さん

会社について教えて下さい。

2020年10月1日で創業丸20年になります。私は看護師なのですが、実習のときに訪問入浴の仕事を知りその将来性に大きな魅力を感じました。2000年に看護師仲間と訪問入浴・訪問介護・居宅介護支援の会社としてスタートしました。高齢者住宅は2009年に和泉市で住宅型有料老人ホームを開設し、現在3棟を運営しています。

ケアに対する考え方は。

認知症の発症予防・進行抑制を早い段階から打ち出して来ました。認知症トレーナーを養成するきらめき介護塾を受講し、「シスター」と呼ばれる他人を指導できるキャリアを積んだ社員が複数います。シスターを通じて認知症の理解、認知症の人への正しい接し方などを会社全体で共有しています。そして、それを社内だけでなく、広く地元に還元していくことに注力しています。

具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。

認知症をはじめ、高齢者の生活を支えるには、介護職に限らず様々な専門家が適切に関与することが重要です。そこで4年前より、医療・介護職による情報交換会「見える事例検討会」を年に6回行っています。さらに、そこに一般市民や企業を巻き込むことを目的に、東京都大田区で始まった活動「みま~も」の岸和田支部を3年前に立ち上げました。こうした取り組みを通じて、地域ぐるみで高齢者を支える仕組みづくりを目指しています。ユニークなものでは、今度、地域の高齢者向けに「メルカリ」の使い方を学ぶセミナーを行う予定です。

昨年、新社屋を建てたのもその一環とか。

1階をカフェにしました。地域の方が集まる場所を作り、そこに私たち専門職が自然な形で関われるようにしました。私もときにはキッチンに立ったりします。医療・介護職は病気や要介護にならないと接することがない存在ではなく、日頃から身近にいる存在になることで、介護予防や認知症予防、病気の早期発見などにつながります。7月には本社社屋の3階に認知症外来、診療内科などの機能を持ったクリニックが開院予定です。医師には時間のある時には1階のカフェに降りてきてもらうことで、来店客の様子からMCIの兆候などをキャッチできるようにしていきます。

スタッフ教育などの面で工夫は。

介護職は真面目ですが、その分何でも自分で抱えこみすぎたり、高い理想を掲げすぎたり、使命感がありすぎたりします。そして、その反動でつぶれてしまいます。それを避けるために、スタッフには「仕事と職場以外の居場所、サードプレイスをつくるように」とアドバイスしています。当社ではフレックスタイム制を導入していますし、副業も認めています。こうした取り組みでスタッフが長く就労できる環境を整えています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

有限会社野花ヘルスプロモート

https://www.nobana-kaigo.com/

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