介護キーマンインタビュー

株式会社ライフケア
代表取締役
宮崎忠洋 さん

事業所内の美化を徹底。社長自ら抜き打ちチェック。

宮崎忠洋さん

ご自身の経歴や会社の成り立ちを教えて下さい。

福祉系大学在学中に、デイサービスに実習にいったのですが、そこが利用者のニーズをきちんと把握してサービスを提供していない、それ以前にきちんとニーズを把握しようとしていないと感じました。「自分ならばもっとよい介護事業所を運営できる」と考え、介護スタッフとして経験を積み、2011年に東大阪市で民家改修型デイの運営を開始しました。現在は大阪府東部地域でサービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホーム、デイなどの高齢者介護のほか、障害者向けサービス、保育などを手がけています。

ケアに対する考え方は。

「介護はサービス業」と考えています。この考え自体は珍しいものではありません。しかし、このことを口にする介護事業所の中には、接遇マナーなどは確かに素晴らしいのですが、サービスを提供する環境が十分に整えられていないところがある、と感じます。当社では、そこの部分にこだわっています。

具体的にどのようなことでしょうか?

例えばテーマパーク、ホテル、デパートなど他のサービス業では、表の部分と裏の部分を徹底的に分離します。裏の部分は絶対に見せません。しかし、介護事業所では業務用の文書が利用者の目に見える場所に貼ってあったりします。また、ほかのサービス業では、建物内で嫌な臭いがすることなどあり得ません。しかし高齢者施設の中には排せつ物の臭いがしたりするところもあります。サービスを提供する舞台としてはふさわしくないと感じます。
 こうした他のサービス業ではあり得ない事態が発生しないよう。当社では、私や本部の社員が抜き打ちで事業所を訪問し、各所をチェックするようにしています。トイレから悪臭がしていないか、トイレットペーパーはきちんと三角に折られているか、館内BGMはちゃんとかかっているか、傘立ての傘は整頓されているか、など細かく確認します。

スタッフの育成について注力している点は。

スタッフ一人ひとりの性格や得意とすることをきっちり把握し、適材適所で活躍してもらうようにしています。いくら私や上司と面談をしても、そうした場ではよそ行きの回答をすることもあり、なかなか本質は見えてきません。そこで、当社ではスタッフが5名以上集まって会食や飲み会、イベントをする場合には、会社で費用の一部を補助します。こうして積極的にスタッフどうしの交流を図らせ、そこに本部スタッフも加わるようにします。すると「仕切りがうまい」「細かな気遣いができる」など、スタッフの能力に気づくことがあります。なるべく自然な環境に身を置くことで、その人の本質が見えてきます。
 また、事業所によって「飲み会をするので費用を補助して下さい」と申請してくる件数に大きな差があります。件数の多い事業所ほど離職率が低い傾向があります。申請の件数が、職場の人間関係が円滑か、などといったことを推し量るバロメーターにもなります。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社ライフケア

https://lifecare-ikkyu.net/

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