介護キーマンインタビュー

株式会社メディカルシード
代表取締役
福井由美 さん

身体状況などに応じて住み替えが可能。2年間の所長研修など人材教育に注力。

福井由美さん

会社やご自身の経歴を教えて下さい。

2000年にケアマネジャーになり、その後、居宅介護支援・デイサービス・介護タクシー事業を手がける会社を経営してきました。2009年に高齢者住宅を運営することを目的に別法人としてメディカルシードを立ち上げました。現在、大阪府内を中心にサービス付き高齢者住宅など介護サービス外付け型の高齢者住宅を8棟運営しています。

運営する住宅の特徴は。

私が元々訪問看護師だったこともあり、設立当初は「在宅のケアではできないことを全部行える高齢者住宅にしよう」と考えました。実際に受け入れたことはありませんでしたがALS(筋委縮性側索硬化症)の方の受け入れも想定していました。
 現在は、運営する住宅により受け入れる方の要介護度などを変え、住宅ごとの個性化を図っています。例えば「善幸苑東住吉」では外部の24時間対応訪問看護事業所と提携し、医療的なケアが必要な方の受け入れが可能です。一方で「まごの手花園」は、比較的元気なご利用者様が多く、外出も自由です。身体状況の変化などに合わせ、当社運営の高齢者住宅間で住み替えを行うご利用者様もいます。

スタッフの採用や教育面での特徴は。

当社には「人材育成統括部長」という役職があるほど人材育成には力を入れています。スタッフの離職原因の第1位は「職場の人間関係」です。その問題は人材教育により解消することが可能です。教育は所長、主任・サービス提供責任者など階層別に月に1回行っています。ここで学ぶのは「組織の中での他者との関わり方」「様々な場面においての自分の心の持ちよう」などです。特に所長に関してはメンタルトレーナーに来てもらい2年間にわたって実施しました。こうした教育の結果、離職率や勤続年数などの数値にどのように変化をしたのかについては今後きっちり検証していきます。

そうした教育などを通じて求めるスタッフ像は。

一言で言えば「常に前向きな思考」でいられることです。京セラ・KDDIの創業者である稲森和夫さんの言葉に「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」というものがあります。熱意と能力はゼロ~100までしかありませんが、考え方にはマイナスがあります。掛け算ですから考え方がマイナスであったら、仮に熱意や能力がプラスであっても結果はマイナスになってしまいます。今のコロナ禍のように、目の前に自分にとってマイナスになるような事実があっても、その中からプラスを見つけ出し、前向きに行動できる人材を求めています。

今後の目標などは。

「入居に待ちがある」「人材が充足していて入社希望を断らなければならない」という会社にするのが目標です。前者は、現在の入居率が97%ですからほぼ達成しています。後者については、現在派遣で働いている人に当社での直接雇用切り替えを持ちかけたり、離職したスタッフに復帰を呼び掛けたりするなどして、1日でも早い達成を目指しています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

株式会社メディカルシード

http://medicalseed.jp/

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