介護キーマンインタビュー

日本福祉サービス株式会社
代表取締役
白﨑剛士 さん

創業来7年間正社員の離職ゼロ。スタッフ満足度がご利用様満足度に直結。

白﨑剛士さん

会社やご自身の経歴について教えて下さい。

新卒で大手メーカーに就職しましたが、年功序列の組織など古い体質の企業で、新しいことにチャレンジする気概もなく、仕事にやりがいを見いだせないでいました。「規模は小さくてもいいので刺激のある会社で働きたい」と思い、業界の将来性なども考え2003年に介護業界に転職しました。そこで10年働き、13年に独立起業しました。現在は「さくらヴィラ」のブランドで大阪市内や北摂エリアを中心にサービス付き高齢者向け住宅を7棟運営しています。

介護事業についての理念や考え方などを教えて下さい。

短期間ながらもほかの業界を経験した身としては、介護業界の人材教育・育成に対する取り組みの遅れに驚きました。「キャリア形成の仕組みがない」「労働環境が悪い」など多くの問題点を抱えています。これではせっかく介護に対して憧れや情熱を持って業界に来た人が早期に離職してしまいます。そこで、自分で介護事業を始めるに際しては「スタッフが満足して働ける会社をつくること」を最大の目標にしました。当社では現場介護スタッフの「残業ゼロ」「有給休暇取得率100%」を達成しております。また創業以来正社員は1人も退職していません。

介護の人手不足が深刻な中で、どうやって残業ゼロなどを可能にしているのでしょうか。

スタッフの離職が少ないのでそれが可能になります。また、スタッフそれぞれの立場、役職、勤務年数などに応じ「自分がやるべき仕事は何か」を明確化しました。サ高住で発生する500以上の業務を全て洗い出し、「これは施設長の仕事」「これは介護スタッフの仕事」「これは本部スタッフが行うべき」と仕分けしました。また、報告する相手や判断基準も明確にしています。介護業界で働く人は、世話好きな性格であることが多く、本来ならば自分でやらなくてもいいことまでつい手を出してしまいがちです。そのことが自身の仕事量の増加に繋がり、本来やらなくてはならない仕事のクオリティが下がる結果になっていました。スタッフ全員が「これは誰の仕事なのか」をしっかり認識することで、各人の仕事の量は減りますし、業務の指示・報告も無駄なく効率的に行えます。これが、離職が少ない一つの理由です。また、各人が当面学ぶべき知識、身に付けておくべきスキルなども減りますので、結果的にスタッフの成長スピードが速くなります。今年4月には新卒入社丸1年で施設長に就任した女性が出ました。その後もう1人新卒入社2年目での施設長が誕生しています。

利用者のケアに対する考え方や取り組みなどは。

創業時に目標とした「スタッフが満足して働ける会社」が実現できていれば、それがご利用者様の満足にも繋がります。スタッフが自然に笑顔になれるような職場環境であれば、その笑顔はご利用者様にも伝わり、特別なことしなくても館内は明るく楽しい雰囲気になります。それができていない高齢者住宅ほど、レクリエーションやイベントで無理矢理に笑顔を作り出しているのではないかと思います。しかし、それは対処療法に過ぎず、ご利用者様の満足度向上の根本的な対策ではないでしょう。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

日本福祉サービス株式会社

http://www.nf-s.co.jp/

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