介護キーマンインタビュー
株式会社カインドライフ
部長
真鍋雄一郎 さん
自立高齢者用の住宅を新たに開設。1人入居月額10万円と低廉。
ご自身の経歴などを教えて下さい。
介護業界でのキャリアは約10年になります。私と社長との間に共通の知人がいた関係で、4年前にカインドライフに入社しました。社長が、スタッフ全員はもとより、その家族のことについても常に気にかけている「人を大切にする会社である」と実感したことが入社の大きな理由となりました。現在は部長として当社が運営する7つの高齢者住宅を統括する立場です。
一番新しい高齢者住宅「シニアハウス木津川」について教えて下さい。
2020年2月に開設した15戸・定員30人のサービス付き高齢者向け住宅です。これまで当社の高齢者住宅は「シニアライフ」のブランドで展開してきましたが、新たに「シニアハウス」という名称をつけました。各居室にキッチンと浴室を設けてあり、要介護認定を受けていない方でも入居が可能となっているのが最大の特徴です。実際に約3割の方が要介護認定を受けていません。車を保有して日常的に自分で買い物やレジャーに行っている方もいます。要介護の方を対象にしたサ高住「シニアライフ木津川」に隣接していますので、介護が必要になった場合にはそちらから訪問介護サービスを受けることができますし、他の高齢者住宅に住み替えることもできます。
なぜ、こうした高齢者住宅を作ろうと思ったのですか。
要介護認定を受けている方は、行政やケアマネジャーなど第三者が「この人には支援が必要である」と認識しているわけですから、周囲の人が日頃から気にかけてくれたり、実際に何らかの支援をしてくれたりします。しかし、要介護認定を受けていない方はそれに比べるとどうしても周囲の人の注意・関心が及びにくく、また何かあった場合でもSOSを発信しにくいという面があります。「独居や夫婦のみなので、何かあった時に不安」という声は、実は要介護認定を受けていない方ほど強いのです。そうした方が安心して生活できる場所が必要であると判断しました。
「シニアハウス木津川」を開設・運営する上で注意・工夫した点はなんでしょうか。
要介護認定を受けていない方が入れる高齢者住宅は他にもありますが、入居一時金が何千万円もするなど高額なことが多く、あまり一般的な存在ではありません。そこで、費用は1人入居の場合で月10万円・敷金15万円と低額に抑えました。また、スタッフも必要以上に生活の場に介入しないようにしています。これにより、かつての「長屋」のような、ご利用者様同士のコミュニケーションが自然に生まれるようになっています。
今後も、こうした要介護認定を受けていない高齢者向けの住宅の供給は進めていきますか。
一定程度の供給は必要だろうと考えています。今後は、できれば介護を必要とする方、自立の方に加えて、子どもや障害を持つ方など、様々な立場の人が自然な形で集える「村」のような機能をもったコミュニティーが作れればと思います。
貴重なお話、ありがとうございました。
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