介護キーマンインタビュー
株式会社カインドライフ
代表取締役
礒田修宜 さん
マンツーマンで日帰り遠足。社長自らマイクロバスを運転。
ご自身や会社の経歴を教えて下さい。
もともとはトラック運転手をしていました。まだ介護保険ができる前に祖父が入院中にお手伝いさんのお世話を受けていたことから介護の仕事に興味を持ち、介護福祉士を養成する専門学校に通い、特別養護老人ホームに転職しました。その後は民間企業で介護事業の立ち上げに携わるなどし、2012年に独立しました。現在は大阪、奈良、京都で、サービス付き高齢者向け住宅と住宅型有料老人ホームを合計7棟運営しています。
経営の上で心がけている点などを教えて下さい。
「ヘルパーファースト」をモットーにしています。いくら経営者や役員が優秀でも、ヘルパーが持っている能力を十分に発揮できなくては介護の会社は成り立ちません。ヘルパーが気持ちよく、高いモチベーションを持って働ける環境を整えることが重要であり、そのことが結果的にご利用者様への良質なサービスの提供に繋がります。
「ヘルパーファースト」の具体的な取り組み例はありますか。
例えば、今年から新たに始めたのが「スタッフは昼食費用負担ゼロ」です。スタッフは主婦が多いですから、朝の忙しい時間に自分の弁当を用意するのも大変ですし、毎回毎回コンビニエンスストアなどで買った物で済ますというわけにも行きません。そこでご利用者様と同じ食事を無料で提供しています。管理栄養士が監修したメニューですから、栄養面でも優れており、大変好評です。
また、当社には資格を持ったヘルパーが身体介助など専門性の高い業務に専念できるように、ご利用者様の話し相手、レクリエーション、清掃などヘルパーの補助的業務を行う「ライフサポーター」というスタッフがいます。これによりヘルパーに時間が生まれ、「ご利用者様のケア充実のためには何をすべきか」などをしっかり考えることができます。
スタッフ育成の面で心がけていることなどは。
「想いやりをもって他人に接する」という最低限のルールさえ守ってもらえれば、スタッフの自由な発想や行動を最大限に尊重しています。何か一つでも得意な物を持つスタッフ一人ひとりが自分の存在をアピールできたり、存在感を発揮したりできるような環境づくりに力を入れています。
サービス提供の面で、何か特徴的なものはありますか。
2年前にリフト付きのマイクロバスを購入しました。大型運転免許を保有している私自ら運転して年に2回日帰り遠足に行っています。特徴は参加者1人につきスタッフ1人が同行することです。体力や興味があることなどは参加者一人ひとりで違います。マンツーマンの対応をすることで、参加者は自分のペースで歩いたり、好きな店に寄ったりできますので、ストレスを感じたり、他の参加者に遠慮したりすることなく外出を楽しめます。費用は2000円~3000円程度かかりますが、楽しみにしているご利用者様が大勢います。新型コロナが落ち着き次第、再開したいと思います。
貴重なお話、ありがとうございました。
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