介護キーマンインタビュー

総合ケア株式会社
代表取締役
今井弘幸 さん

ご利用者様の立場に立ち「自由な暮らし」を。徹底した「対話」でスタッフの離職防止。

今井弘幸さん

会社やご自身の経歴について教えて下さい。

サラリーマン時代に取引先の会社が介護事業を立ち上げることになり、その手伝いをしたことで興味を持ち、介護業界に転職しました。2014年に独立、創業し、現在は寝屋川市、四條畷市、枚方市、高槻市、京都市で「そうごうケアホーム」のブランドで、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、グループホーム等を運営しています。

介護サービス事業を行う上で心がけている点などは。

「常に、相手の立場や思いを考えて支える」ということです。介護サービスの現場では「自分たちは良かれと思ってしていたことが、実は相手のためになっていなかった」ということが往々にしてあります。もちろん施設は集団生活の場ですから、ご利用者様が快適・安全に過ごすためのルールは必要です。しかし、それは必要最低限のものであるべきで、そこから逸脱しない限りは、ご利用者様の意思を最優先するようにしています。
 当社には目が見えないご利用者様がいるのですが、この方は、自分で歩いて他のご利用者様の部屋に遊びに行くことをとても楽しみにしています。目の見えない方がスタッフの付き添いも無く部屋から出るのは、転倒などの事故の原因になります。しかし、それ気にして禁止していたら、このご利用者様は部屋から出ることはできません。ご家族に「転倒などのリスクはありますが、ご本人が希望されていることなので」としっかり説明し、自由に部屋から出られるようにしています。

スタッフの教育・育成などの部分ではどのような取り組みを行っていますか。

社内のコミュニケーションの活性化を徹底しています。スタッフの離職理由のトップは「職場の人間関係」です。しかし人間関係の問題の多くは当事者の誤解から生じるものであり、ほとんどの誤解は話し合いにより解けます。徹底した対話で離職は減らせるはずです。
 取り組みの一例として、当社ではスタッフの人間関係を一つの施設の中だけで完結させないようにしています。スタッフは何かあれば施設長など上司に相談することになっています。しかし、これですと上司との人間関係が悩みの場合は、相談相手がいなくなります。当社には介護部という全施設を横断する組織があり、スタッフは相談、提案などを介護部に直接行えるため、1施設内では困難な問題の解決も可能となっています。

業務の効率化などで取り組んでいることはありますか。

昨年9月より介護記録のICT化を進めており、現在4施設で導入済みです。また、管理職以上の社員・役員は全員コミュニケーションアプリでグループ化しており、事故報告などは全てその日にアップするようにしています。それにより、どこの施設で何があったのかを、即座に全社で共有できます。報告する機能だけですので、事故への対応策などの指示はアプリ上では行いませんが、書き込まれた報告について、直接施設長どうしなどでやりとりし、解決策を話し合っています。

貴重なお話、ありがとうございました。

運営会社

総合ケア株式会社

https://www.sogo-care.co.jp/

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